A型の人は几帳面だとか、O型の人はおおらかで大雑把だとか、B型の人はマイペースであるとか、AB型の人は冷静沈着とかいう血液型占いによる性格診断などのイメージを持っている人も多いと思います。
実は血液型にもいろいろとあるのです。
A・B・O・AB
私たちが普段、血液型の本を読んで、私はA型だとか、彼はB型だとか言っているのは、『ABO式血液型』と言われるもので、いろいろな書類に血液型を書く場合も、だいたいがこのABO式血液型を記載しています。
なぜ、そうなのかというと、輸血をするときに最も重要となる血液型だからです。
安全な輸血のためには、同じ血液型を選ぶことが大切です。
赤血球の膜上には、A型物質、B型物質が存在していて、この本体はいくつかの糖が連なった糖鎖の形になっています。
血液型を規定する遺伝子は、この糖をつなげる酵素を規定するものなのです。
A型の人であれば赤血球上にA型物質が、B型の人であればB型物質が、AB型の人であればA型物質とB型物質の両方が発現していて、O型の人の赤血球には、A型物質もB型物質も発現していません。
また、A・B・O・ABそれぞれの血液型の人は、自分自身の赤血球とは反応しない抗体を血液中の血漿の中にもっていて、A型の人には抗B抗体、B型の人には抗A抗体、O型の人には抗A型抗体と抗B型抗体があります。
AB型の人は、抗A型抗体も抗B型抗体も持っていません。
そして、抗A型抗体をもっていると、A型血球を凝集させてしまうので、異なる血液型の人同士の血液をあぜると、血球が凝集してしまうのです。
通常行われてる血液型検査では、赤血球と血清の両方を調べて、ABO式血液型を特定しているため、オモテ・ウラ試験とも呼ばれています。
Rh式血液型
ABO式血液型のおhかに、「血液型はRh-(マイナス)なんだ」なんていう言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、Rh式血液型というものがあります。
Rh式血液型には、D・C・E・c・eなどの多くの型がありますが、普通Rh血液型と言えば、D抗原のことを指します。
通常は、このD抗原を有する場合はRh(+)、有さない場合をRh(-)として分類しています。
日本で、Rh(-)の人は、約0.5%ほどと言われています。
抗D抗体は、Rh(D)陽性の赤血球を壊す性質があるため、抗D抗体をもつRh血液型陰性の人が、Rh陽性の血液の輸血を受けると副作用が起きてしまいます。
ABOとRhだけじゃない血液型
よく知られている血液型は、ABO式とRh式で、輸血において考慮するのもこの2つであることから、この2つは有名ですが、それ以外にも血液型は実際いんは全部で200と言われているくらい多くの種類があります。
主な血液型としては、MNS式、P式、Lutheran式、Kell式、Lewis式、Duffy式、Kidd式、Diego式などいろいろあります。