アーティチョークは、学名が Cynara scolymus で、キク科チョウセンアザミ属の多年草でその和名は、形態的には大型アザミであることもあり、チョウセンアザミ(朝鮮薊)になっています。
ヨーロッパの春野菜として、若いつぼみが食用として利用されています。
アーティチョークの由来
アーティチョークは、アザミの一種で、ソフトボールぐらいの大きさの花をつけますが、食用とされる部分は、花のガクのつけ根とつぼみの芯の部分になります。
原産地は地中海沿岸で、古代ギリシャ・ローマ時代にはすでに栽培が行なわれてます。
日本へは江戸時代に導入されたもののほとんど普及しませんでした。
アーティチョークの名前の由来は、アラビア話で巨大なアザミという意味の「アル・カルチュ」がなまったものからきています。
アーティチョークは、古代ローマ人が野生アザミの改良種であるカルドンを食用に栽培化したものと考えられています。
中世イタリアのメディチ家の女性がフランス王室に嫁いだことがきっかけで、フランスやスペインにも普及していきます。
食用となるのは、つぼみのガクのつけ根と花芯の部分で、この部分にはでんぷんが多く、ほくほくした食感はユリネやサトイモに似ています。
肝臓や胆のうの機能を強化するともいわれ、脂質の消化吸収を助ける胆汁を増やす働きや利尿作用、むくみの改善にも効果が期待されています。
腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれています。
アーティチョークの成分
アーティチョークは、ミネラルとしてカリウム・カルシウム・マグネシウムが豊富に含まれています。
アーティチョークは、野菜としては、糖質が多く、どちらかというとビタミン類はあまり多くありませんが、ミネラルは比較的多く含んでいます。
ビタミン類も、抗酸化作用に優れたビタミンCやβ-カロテンを含んでいます。
また食物繊維を豊富に含んでいるので、腸内善玉菌の活性化にも役立ちます。
ビタミン・ミネラル・食物繊維といった栄養成分の他に、アーティチョークにはシナリンが含まれていて、このシナリンは、カフェイルキニン酸とも呼ばれ、脂肪を分解してエネルギー代謝を促す作用が期待されています。
さらに、アーティチョークには、ルテオリンと呼ばれる抗酸化作用にすぐれたフラボノイドを多く含まれています。
アーティチョークの選び方と保存
ほのかな甘みとホクホクとした食感のあるアーティチョークは、旬が夏で、春を告げる食材とも言われています。
アーティチョークは、全体に肉厚でずっしりと重みがあるものが良いとされ、ガクは開いていないものが良いとされています。
新鮮なものは、つけ根の部分が緑色で、紫色に変色していません。
アーティチョークは鮮度が落ちやすいため、できるだけ早めに使いきるのが望ましく、ラップに包んで冷蔵庫で保存しても1~2日では使いきるようにします。