ディスタンスの魔法 | 健康トピックス

新型コロナ禍、ソーシャルディスタンスという言葉が言われるようになり、以前に比べて人と人との距離を意識するようになったと言う人も増えてきていると思います。

人のなわばり

野生の動物などをみていると、多くの動物が自分のなわばりを持っています。

犬なども小便をしてマーキングすることで、自分のなわばりを主張しているとも言われています。
しかし、犬に関しては、自分のニオイを散歩中に拡散させることで「安心感を得る」と同時に、それでニオイの情報交換をして犬同士のコミュニケーションをしているのではないかという考え方もでてきています。

もう少し人間に近い類人猿であるチンパンジーなどを見てみても、なわばりを主張する行動が見られます。

人間は無意識のうちにも縄張りを意識しているものです。

たとえば、空いている電車やバスに乗っていて、席がいっぱい空いているのにわざわざ隣に見知らぬ人が座ってくると、口には出さなくても、「何だコイツ? こんなに席がいっぱい空いているのになぜ隣にくるんだよ。慣れ慣れしいし、ウザいんだよ。知り合いでもないし、後から来たんだからあっちへ行けよ!」と思う人は非常に多いと思います。

実際に、全長3.6mのベンチの端から30cmのところに人が座っていた場合、次にやってきた人の75%は、そこから2m以上離れて座ったという実験結果もあります。

なわばりの段階

なわばりには、その親密度によってゆるされる距離があります。

一つの目安となる距離としては、75㎝~120㎝の個体距離というものがあります。

どのくらいの距離かというと、お互いに手を伸ばせば指先に触れることができる距離です。

友人であれば、この距離、つまりなわばりに入ってきても、あまりストレスを感じることはないでしょう。

しかし、全くの見ず知らずの他人がこの距離に入ってくると、人間はストレスを感じるものです。

だからこそ、満員の電車やバスでは、この距離が保てず、多くの人がストレスを感じるのです。

なわばりと恋人のバロメーター

なわばりの距離は、その関係が近くなればなるほど、距離が縮まっていきます。
前にも述べた通り、友人であれば75cm~120cmの距離になります。

仕事であれば仕方ないでしょうが、プライベートで十分スペースがあるのに、この距離より内側に入ると嫌な顔をされるのであれば、相手から友人として認められていない可能性もあります。

人間関係で一番近しい関係といえば、家族・恋人です。家族や恋人であれば、密接距離である15㎝以下、つまり相手のにおいや体温が感じられる距離に近づいても問題ないでしょう。

15㎝~45㎝の距離は、手を使って相手の体に触れることができる距離で、ほとんどの人間は、家族や恋人以外の人間がこの内側に入るとストレスを感じます。

もし家族でもないのに相手がこの距離でも歓迎してくれているようであれば、恋人クラスと言えるでしょう。

恋人か友人かの微妙な距離は、45㎝~75㎝で、相手を抱いたり、体に触れることができる距離になります。

この距離の内側に入っても歓迎されているようであれば、恋人までいかなくても脈ありの可能性は大かもしれません。

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