トコジラミに由来して名付けられた生薬とは | 健康トピックス

漢方の生薬は、いろいろとその名前に由来があり、調べてみるとなかなか面白いものです。

例えば、葛根湯や麻黄湯でもおなじみの『麻黄』という生薬の由来は、生薬の色が黄緑色していることに加え、舌の先を麻痺させるところから、『麻黄』と名付けられたと言われています。

早めに駆除したいトコジラミ

「トコジラミ」は、別名ナンキンムシと呼ばれていて、家の中にいます。

普段は、暗い所を好むので家具の隙間やダンボールの隙間に隠れていて、夜になるとはい出てきて、時にはヒトを吸血します。

トコジラミに刺されると、激しいかゆみがあり、場合によっては発熱することもあります。

もし、壁や柱、本などに黒褐色の汚点があれば、それはトコジラミが吸血したあと糞として排泄されたものの可能性があります。

トコジラミがいる可能性があるならば、「トコジラミ・ゴキブリアース」、「ゴキジェットプロ秒殺+まちぶせ」といった残効性がある殺虫剤をトコジラミが潜んでいそうな隙間にシュッと噴霧すると良いでしょう。

トコジラミは、名前からいうとシラミ目に属すると思われがちですが、カメムシ目に属し、体長は5~8mmほどで、茶褐色をしています。

成虫は吸血しなくても1年以上生きるという生命力があり、ヒト以外にもペットの犬や猫にも吸血します。

トコジラミが生薬の名前にどう関係してくるのか

こんな厄介なトコジラミですが、これがどう生薬の名前に関係してくるのでしょうか。
トコジラミは、ラテン語で、cimex(キーメクス)になります。

漢方生薬には、ラテン名でCimicifugae Rhizoma(キーミキフーガエ リゾーマ)と呼ばれるものがあります。

英名は Cimicifuga Rhizome(シミシフガ ライゾウム)となるこの生薬の和名は、『ショウマ(升麻)』です。

ショウマ(升麻)は、キンポウゲ科サラシナショウマ属のサラシナショウマの根茎を使った生薬で、解熱効果や浮腫抑制効果が期待される生薬です。

ちょうど試験官ブラシのような白い花を咲かせるのが特徴のキンポウゲ科の多年草で、山林や草原によく生えますが、花穂が太くて白いのでよく目立ちます。

さて、ショウマの名前に話を戻しますが、Cimicifugae Rhizoma(キーミキフーガエ リゾーマ)で、Cimicifugae(キーミキフーガエ)の部分は、cimex(キーメクス)であるトコジラミから来ていますが、残りの Rhizoma(リゾーマ)は何かというと、fugo (フゴー)という追い出すというラテン語になっています。

つまり、ショウマは、トコジラミを追い出す生薬ということになります。

なんでこんな名前になったのかというと、ショウマは悪臭がひどく、無視さえも逃げるということや、実際に虫よけにも用いられたとされるところから、この名前がついたようです。

ショウマってそんなに臭いの?

えええっ? 升麻(ショウマ)って生薬はそんなに臭いの? ということになりますが、実際には升麻の生薬は、そんなに臭くはありません。

ちなみに、『升麻』は、葉が麻に似ていて、気を上昇させることから、升麻となったという説がありますが、こちらもとりわけ葉が麻に似ているというほどでもなく、実際のところはわかりません。

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