日本人にお馴染みの芋、大人気のジャガイモとサツマイモについて、比較してみました。
ジャガイモの特徴
ジャガイモは、ナス科ナス属で、別名二度芋(にどいも)とも呼ばれ、その旬は春になります。
高血圧予防や動脈硬化予防、便秘改善、免疫力効果といった働きが期待されます。
ジャガイモの原産は、南米のアンデス山地で、1500年以上も前から栽培されていたといわれています。
日本においては17世紀の初頭にインドネシアのジャカルタからオランダの船で運ばれて入ってきました。その時は「ジャガタライモ」と呼ばれていましたが、やがて「ジャガイモ」になりました。
日本のジャガイモの二大品種は、男爵とメークインで、男爵は明治40年ごろに山田男爵がイギリスから持ち込み改良したことから、男爵と呼ばれています。
男爵は扁球形で淡白色をしていて、粉質であることから、粉ふきイモなどに好んで使われます。
メークインは、イギリス生まれで、扁球形の男爵に対して長卵形で、色も黄白色になっていて、やや粘質のために肉じゃがなどの煮物料理に好んで使われます。
その他にも、キタアカリ、農林一号、紅丸といった品種があり、キタアカリは北海道で栽培されていてやや粉質で黄色であることから、ポテトサラダやコロッケによく使われます。
ジャガイモの成分
ビタミンCというと、ミカンやレモンというイメージがあると思いますが、意外にもジャガイモにもビタミンCが多く含まれていて、ミカンと同量レベルのビタミンCがあります。
その他に、カリウムや食物繊維なども豊富に含まれています。
ジャガイモのビタミンCは、加熱しても壊れにくいという特徴があります。これは、ジャガイモのビタミンCはでんぷんに包まれているためです。
さらにポリフェノールの一種でもあるクロロゲン酸も含まれていて、抗酸化作用を発揮し、活性酸素を抑制し、脂質の酸化を防ぐことから、コレステロールを減らし、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防や、細胞の老化防止などに役に立ちます。
ジャガイモの中心部には、脳の働きを正常に導き、精神安定作用があるとされているGABAというアミノ酸も含まれていることがわかっています。
ジャガイモの芽は毒?
ジャガイモの芽には毒があるので、芽は取って食べるというようなことを聞いたことがあると思います。
ジャガイモは太陽光線が当たると、芽が出てきたり、皮が緑色になってきたりします。
この部分には天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれています。
ですので、こうした芽が出てきている部分や。緑色になった部分の皮はしっかりと取り除くことが大切です。
サツマイモの特徴
サツマイモは、ヒルガオ科サツマイモ属で、別名甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも)、琉球芋(りゅうきゅういも)とも呼ばれ、その旬は秋から冬になります。
便秘改善、消化促進、糖尿病予防といった働きが期待されます。
サツマイモの原産は、メキシコなどの中米と言われていて、紀元前3000年ごろから栽培されています。
日本においては16世紀末に宮古島に伝わり、17世紀初めには薩摩に伝わりました。当時の薩摩藩が全国に広めたことから、「サツマイモ」という名前になりました。
有名な品種としては、紅あずまがあります。紅あずまは関東地方の代表的な品種で、よく焼き芋などにも使われます。
金時の名前で親しまれているベニアカは、関東地方の代表的な品種で、栗きんとんなどに使われます。
サツマイモの成分
サツマイモといえば、食物繊維が豊富ですが、サツマイモのでんぷんは、「レジスタントスターチ」つまり難消化性でんぷんで消化されにくいという特徴があります。
オリゴ糖も豊富に含まれていて、これは胃腸で吸収・分解されにくく、蓄積されないまま便として出るので、太りにくい糖になります。さらにこのオリゴ糖は、腸内で善玉菌であるビフィズス菌のエサとなるため、腸内環境の改善にはもってこいなのです。
これらの、レジスタントスターチやオリゴ糖の働きにおり、便通の改善のほか、血糖値の上昇抑制効果なども期待できます。
サツマイモは、ジャガイモに負けず劣らずビタミンCも豊富に含まれていて、イモ類の中ではトップクラスで、ジャガイモと同様加熱に強いのが特徴です。
サツマイモは、ビタミンD・Kを除くほとんどのビタミン、鉄・カルシウム・カリウム・リンといったミネラルも豊富に含まれています。
さらにβ-カロテンが含まれていて、色味が黄色いものほど、豊富に含まれています。
サツマイモを切ると白い汁が出てきたりしますが、これはヤラピンという成分で、便通を促進し、胃壁の粘膜を守り、消化を促進してくれる働きがあります。
サツマイモの赤い色素成分は、アントシアニンで脂質酸化防止作用があります。
さらに、成長促進に不可欠な細胞膜機能調整作用があるガングリオシドという成分も含まれています。