更年期障害の個人差は大きい | 健康トピックス

更年期障害は、年齢とともに卵巣機能が低下することによって、エストロゲンが減少し、それに環境や社会的要素、個人的要素などが複雑に絡み合って、器質的な疾患がみつからないのに、自律神経失調を中心としたいろいろな不定愁訴を主体とする症状が現れるものです。

更年期障害の症状の特徴

更年期障害の症状は、大きく3つに分けることができます。
その3つとは、自律神経失調症状、精神神経症状、その他です。
自律神経失調症としてまとめられる症状としては、手足の冷え、動悸、Hot flushと言われるのぼせ・ほてり・発汗などです。
一方、精神神経症状としてみられるのが、怒りっぽい、イライラしやすい、焦燥感、不眠、めまい、憂うつ感、頭痛などです。
そしてこれ以外にその他としていろいろな症状がみられます。

疲れやすいといった症状から、腰痛、肩こり、関節痛といった運動器の症状、食欲不振や悪心といった消化器症状、肌のかゆみや乾燥といった皮膚症状、排尿障害、性交障害といったさまざまな症状がでてきます。

更年期障害の不定愁訴は個人差が大きい

しかし、更年期障害の不定愁訴の症状には個人差が大きいと言われています。
なぜならば、更年期障害の要因として、その人の置かれている環境、社会的つながり、個人的要素として生育歴や心理的要因なども複雑に絡み合うからです。

更年期はどのくらい続くの?

更年期には個人差が大きいので、これも人によって違いますが、一般的なことを言うと、約10年、年齢にすると45歳から55歳くらいまでといって良いでしょう。

更年期を迎えると、正常な機能をもった卵胞は徐々に減少していき、月経の周期も不規則になっていき、やがて閉経に至ります。

閉経すると卵胞は消失しますが、その間、卵胞から分泌されるエストラジオールは減少し、下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンの量が増加してきます。卵巣機能が低下して閉経にいたるまでの時間が約5年で、これが更年期前半期にあたります。そして閉経後、エストラジオールが減り、ゴナドトロピンが増えてきます。この移行時期が更年期後半の5年にあたります。

更年期障害の治療はどうするのか

更年期障害においては、問診やホルモン検査、心理検査などを行い、まずは第一選択薬としてはホルモン療法(HRT)が行われます。

方法は、エストロゲンを単独投与するか、エストロゲンとプロゲストーゲンを併用する方法があります。子宮癌のリスクを考えると、エストロゲンの単独投与(ET)は、子宮内膜増殖作用があるためそのリスクが高まってしまうことから、通常は、プロゲストーゲンを併用したホルモン療法(EPT)が行われます。

日本では、通常、ホルモン療法としてはプロゲストーゲンを併用したホルモン療法(EPT)が行われ、子宮を摘出した女性に対しては、より乳腺への影響が少ないと考えられているエストロゲンの単独投与(ET)が行われます。

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