歯周病の原因は、プラークの中に潜んでいる原因菌で、歯を磨かずに時間が経つと、ネバついた汚れが歯肉の周りや歯間に溜まってきて、歯周病原因菌の巣窟であるバイオフィルムになってしまいます。
こうなると、なかなか殺菌剤やうがい薬が効きにくくなってしまいます。
力強く磨けばプラークが落ちるは間違い
バイオフィルムは、水まわりのヌメリのようなものです。
だからこそ、物理的にこそげ落とさなければならないのですが、だからといって歯ブラシで強くブラッシングすればいいかというと、そういうことではありません。
力任せに歯ブラシを押し付けてゴシゴシと磨くと、プラークが効率よく落ちないだけでなく、歯や歯肉を傷つけてしまいます。
どのくらいの圧でブラッシングすれば良いかですが、目安として歯ブラシの毛先を指の爪に押し当ててみてください。
このときわずかに爪の色が白くなる程度がちょうどよい圧の目安です。
歯間は補助器具を有効活用

水まわりの掃除も、ちょっと怠るとヌメリが酷くなりなかなか落ちにくくなります。
これと同じでプラークコントロールも、しっかりと毎日行うことが大切です。
歯を磨かないで長時間いると、プラークがどんどん大きくなり、ブラッシングでは落ちにくくなり、やがて歯石になってしまいます。
こうなると、歯科医でスケーリングなどをしてもらい物理的に落としていくしかありません。
また、歯ブラシ以外にも、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助器具の使用も強くオススメです。
なぜならば、歯間は歯ブラシが届きません。
歯肉の隙間が大きい人や、ブリッジなど連結した被せ物をしている場合は、デンタルフロスではなく、歯間ブラシを使用すると良いでしょう。
仕事で忙しくて食後に歯を磨けない
よく仕事仲間とランチに行ったり、仕事後に飲み屋に行くことがあります。
歯は食後30分以内に磨くべしというように思っていても、特に付き合いとかあると、なかなかそうはいかない場合のほうが多いかもしれません。
そういう場合でも、寝る前と起きた後は、しっかりと歯磨きすることが大切です。
あああ、今日は付き合いで酒飲んできたし、食後に歯を磨けなかったし、もう酔ってるし疲れてるし、このまま歯磨かないで寝ちゃおうというのは良くないのです。
それで翌日、今日は休日だし、二日酔いで頭も痛いからと、朝を起きてからもなかなか歯を磨かないというのはもう最悪です。
歯周病予防という観点からいうと、歯磨きは、食べカスを取るわけではなく、プラークを落とすことが目的とも言えます。
したがって、食後30分以内に磨くのが理想ですが、時間にこだわるのではなく、磨けるときにしっかり磨く、そして特に寝る前と起きた後は、しっかりと歯磨きすることが重要なのです。
なぜ寝る前と起きた後が重要かというと、寝ている間は唾液が少なくなって菌が増殖しやすくなっているからです。