炎症は万病の元と言われるくらい、現代人に多いさまざまな不調や病気の一因になっています。
血管に炎症があれば、その影響は全身に及び、腸の不調は腸粘膜の炎症からきていることも少なくありません。
さまざまな不調や病気の原因となる慢性炎症
『慢性炎症』はすぐに治まるはずの炎症が治まらず、長期化してしまっている状態です。
炎症は、感染に対して体を守るために、マクロファージや好中球といった免疫細胞が、インターロイキンといった炎症性サイトカインを放出することで起こりますが、通常は一過性のものです。
しかし、何らかのシグナルの乱れが起こることで、これら炎症性サイトカインがゆっくりと持続的に産生されて、じわじわと炎症が進行していくため、気づかないうちに疾患が静かに進行していってしまいます。
このシグナルの乱れは、細胞の老化などによっても引き起こされます。
老化した細胞はSASP(細胞老化関連分泌現象:Senescence Associated Secretory Phenotype)というサイトカインや増殖因子を分泌する現象を引き起こして、慢性炎症を引き起こしてしまいます。
慢性炎症は、いろいろな病気や不調の一因となっています。
動脈硬化、高血圧、脂質異常症、Ⅱ型糖尿病、肥満、肝炎、脳梗塞、心筋梗塞、白内障、緑内障、うつ病、自閉症、サルコペニア、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、慢性腎臓病、がん、関節炎、歯周病、喘息、アトピー性皮膚炎、慢性閉塞性肺疾患、シミ、シワ、老化など、さまざまな病気と慢性炎症は密接な関係にあります。
慢性炎症を抑制するために
それでは、慢性炎症を抑えるにはどうしたらよいかということですが、慢性炎症の原因の一つに老化があることから、老化の原因となる過剰な糖質の摂取をやめることが有効です。
過剰に糖質を摂取すると、体内で蛋白質と結びついて炎症を引き起こすAGEs(終末糖化産物)を作り出してしまい、これが、細胞内の酸化ストレスの産生を更新させて、血管に障害を与えたりすることで、老化が進行し、さまざまな体調の不調につながっていきます。
糖質を摂る場合は、なるべく精白していない自然の状態のもの、つまり玄米や全粒粉のパン、黒糖などを選ぶことがオススメです。
また、腸は免疫に関与している重要な機関で、全身を守る免疫システムの司令塔とも呼ばれていますし、腸脳相関という言葉からもわかるとおり、脳の働きとも密接な関係にあります。
腸内環境を整えるためにも食物繊維や発酵食品をしっかりとることがオススメです。
水素吸入と慢性炎症
慢性炎症を抑制する方法として、水素吸入が注目されています。
私たち人間は、呼吸をして大量の酸素を取り入れていて、エネルギー源を作り出していますが、このときに活躍しているのが、細胞内のミトコンドリアです。
ミトコンドリアでエネルギー源を作り出すときに、副産物として活性酸素ができてしまい、これが体内の物質を酸化させてしまいます。
一言で活性酸素といっても、細菌やウイルスをやっつけてくれる善玉のものから、正常な細胞や遺伝子も攻撃してしまう悪玉のものまでさまざまです。
水素を吸入することで、こうしたいわゆる悪玉の活性酸素を選択的に除去してくれることがわかってきています。
水素を吸入することで、ハイカラ血中に水素が入り、全身をめぐって、炎症を抑えてくれます。
水素吸入の効果については、『最強の水素術』という本に、詳しく載っています。