ミント(mint)というと、シソ科ハッカ属の薄荷(ハッカ)のことで、メグサとかメハリグサとも呼ばれているものです。
まずはミントの名前の由来のトリビアからご紹介していこうかと思います。
ミントの名前の由来
ミントと呼ばれる薄荷(ハッカ)ですが、ハッカ属は Mentha となり、ギリシャ語の「ミンタ」から来ています。
ミントとは、ギリシャ神話の妖精(ニンフ)の一人で、冥界の王であるハデスに愛されたのですが、ハデスの妻であるペルセポネの嫉妬により、呪いをかけられて、ハッカの草に変えられてしまったという言い伝えがあります。
そして、ハッカといえば、その主成分は冷涼成分としてもおなじみの「メントール」ですが、これもこの「ミント」から派生した言葉です。
3つのミント
薄荷(ハッカ)・ミントといっても、大きく3種類のミントがあります。
一番よく聞くのがペパーミントだと思いますが、その他にもスペアミントやクールミントという言葉を聞いたことがある人も多いと思います。
いったいどのような違いがあるのでしょうか。
ペパーミント
『ペパーミント』は、別名、シソ科の「西洋ハッカ」と呼ばれるもので、学名は Mentha piperita L. になります。
地中海沿岸の他、アメリカやインド・ヨーロッパ・ロシアが主要な原産地になっています。
もともとは、スペアミントとウォーターミントの交配により作られ、クールミント(和製ハッカ)よりはハッカ脳(l-メントール)の含有量が50~60%と低くなっています。
主成分は、l-メントールで、クールな香りがあります。
清涼刺激は、スペアミントよりもペパーミントのほうが強くなっています。
葉はスペアミントよりも尖っていて、デザートの飾りなどにも用いられます。
スペアミント
『スペアミント』は、別名、シソ科の「オランダ薄荷」・「緑薄荷」と呼ばれるもので、学名は Mentha spcata L. になります。
ヨーロッパを中心に、アメリカやインド、ロシアが原産地になっています。
ペパーミントとの一番の違いは、清涼成分がペパーミントが l-メントールなのに対して、それとは異なる l-カルボンが清涼成分になっています。
スペアミントは、他のミントと混在栽培した場合、この種のみが残っていくほど繁殖力が強いミントです。
日本では19世紀の始めにオランダ船から伝えられたことから「オランダ薄荷」という別名がついているほか、葉脈がくぼみ縮れているところから「ちりめん薄荷」と呼ばれることもあります。
スペアミントは、清涼成分 l-カルボンの他、プレゴンという苦味成分も含まれていて、繊細な香りがします。
クールミント
『クールミント』は、和製ハッカ(和種薄荷)で、学名は Mentha Canadensis L. var. piperascens H. Hara になります。
クールミントは、日本をはじめインド・北米・ヨーロッパ・ブラジルなどが主要な原産地になっています。
クールミントは、ハッカ脳(l-メントール)の含有量が65~85%と、ペパーミントよりも多くなっていて、清涼感・クール感に優れています。
ミントの品種改良
ミントは、世界中でどんどん品種改良され、ペパーミント・スペアミント・クールミントの3種類の大分類からさらに分けていくと、品種認定されたものだけでも100種以上ものがあります。
ハッカの種類・品種に関しては、『きたみの薄荷』というサイトに詳しく掲載されています。