患者からいろいろと話を聞くことが、西洋医学でもいろいろと検査や診察をする前に行われたりしますが、『問診』と言われています。
漢方医学においても、同じように『証を立てる』ための『四診』の一つとして『問診』が行われます。
西洋医学の問診、漢方医学の問診
西洋医学においても、『問診』は重要な診断の一部になっています。
問診によって、患者の自覚症状を把握できるのですから、診断において非常に大切なものです。
もちろん漢方医学においても、問診は重要ですが、漢方医学の場合は、西洋医学の問診ではあまり聞かないようなことも、細かく聞き取って診断に役立てたりします。
問診で聞かれるのは主訴だけではない
患者は、体の具合が悪くなり、それが原因で受診をしますが、その受診した理由が主訴になります。
例えば、肩こりがひどいといった場合は、まずは「肩こりがひどくて」といった主訴を訴えることになります。
主訴が生じた原因や治療経過、治療による変化なども聞かれたりしますし、主訴に随伴する症状や、その症状の変動などについても質問されたりします。
もちろん、その主訴については、細かく詳しく問診され、また漢方医学の場合は、自覚症状は重要な情報なので、どのように感じているのかなどについても質問されたりします。
しかし、主訴以外のことについてもいろいろと質問されます。
主訴以外では、今までどのような病気にかかったことがあるかという既往歴、今現在どんな薬を飲んでいるか、また過去に飲んでいたかといった薬歴などが質問されます。
薬だけではなく、サプリメントなどの場合も伝えることが大切です。
直接関係ないと思っていても、過去の病歴から現在の病気につながっている場合もありますし、薬の副作用だけでなくサプリメントも何らかの形で影響していることもあるのです。
患者がまったく無関係だと思っていても過去の病気が今現在の主訴と関係している場合もありますし、薬歴については、副作用や相互作用といったことの参考になるのはもちろんですが、例えば漢方薬であれば、過去にどのような方剤を飲んで、どのような効果があったかということは、今後の治療方針を立てるためにも非常に参考になりますい。
まったく関係ないと思っていることでも関係がある場合も
家族歴などは、直接関係ないと思われるかもしれませんが、加増的素因のある糖尿病や高血圧などについては参考になりますし、もしかしたら、今現在の症状が、家族や職場、学校などの人間関係に起因している場合もあるので、そう思っているのであれば、話をするようにします。
食習慣や飲酒や喫煙習慣などは、病気の直接の原因になったり、悪化要因になったりしている場合もあるので、そういったものは正直に話す必要があります。