漢方薬もしっかりとした効果を得るためには、『証』がきちんとあった漢方処方であることが前提ですが、服用方法も重要になってきます。
最近では、多くの漢方薬がエキス剤、つまりエキスから作った液剤、顆粒剤、錠剤などになっています。
インスタント漢方薬でも効果あるの?
漢方薬として、街中のドラッグストアや薬局でパッケージに入って売られている漢方薬、または医療機関を受診して処方箋をもって薬局に行き、そこでもらう健康保険で使用されている漢方薬は、ほとんどがエキス剤になっています。
珈琲は、本来であれば豆を炒って、挽いて、ドリップにして飲みますが、インスタントコーヒーはコップに粉を入れ、お湯を注ぐだけです。
このインスタントコーヒーと同じような形態であることから、そうした漢方薬をインスタント漢方薬という言い方をしたりもします。
例えば、葛根湯は、傷寒論などに出てくる処方で、構成生薬は、桂枝・芍薬・甘草・生薑・大棗・葛根・麻黄になります。
きちんと出典どおりに作るのであれば、まず麻黄の節をとり、麻黄のみを煎じてから、他の生薬をいれていくことになります。
実際にインスタント漢方薬のエキスがこのようにして作られているかどうかはわかりませんが、インスタントコーヒーと同じく、お湯を注いでそのまま溶かして飲める形になっています。
よく、インスタント漢方薬で本当に効果があるのかということが言われますが、それはきちんと煎じて飲む煎じ薬の漢方薬のほうが効きます。
しかし、証がきちんと合っていれば、証を間違って処方された煎じ薬よりも、はるかに効果を発揮することは言うまでもありません。
また、OTC医薬品の漢方薬だと、生薬エキス量が1/2量になっているものもあります。
漢方を煎じるときの注意

本格的に漢方薬を煎じる場合は、土瓶か耐熱ガラス、ほうろうの容器が良いでしょう。
鉄製や銅製のものは避けます。
1日分の漢方薬と水(600㏄ほど)をヤカンや土瓶に入れ、最初は強火、沸騰後は弱火にして約半分ぐらいになるまで煮詰めます。
だいたい時間にして40分ぐらいになるかと思います。
厚いうちに、ガーゼなどでフィルタリングして、冷蔵庫などの冷暗所で保存します。
できれば、特に冷まして服用するよう指示があるものでなければ、飲むときに温め直すと良いでしょう。
漢方薬を煎じる場合は、漢方薬は1日以上たつと漢方薬の成分が変化してしまうこともあるので、面倒くさいからまとめて3日分ぐらい煎じちゃえというのではなく、基本は1日分を煎じて、それを2~3回に分けて服用します。
服用の際の注意
漢方薬を服用する際には、もし他に処方されている薬などを飲んでいるのであれば、その薬との副作用に注意する必要があります。
もしわからなければ、医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
漢方薬を飲むタイミングは、一般的には食前か食間になります。
食前30分前か、食後2~3時間後が良いでしょう。
飲み忘れたからといって、2回分を1回で飲むことはしないようにしましょう。