年齢を重ねるとともに、見えづらくなった、視力が低下してきたといった場合は、白内障が疑われます。
白内障になるとどのような症状があらわれてくるのか
白内障は、目の水晶体が白く濁ってきてしまう病気です。
水晶体は、カメラのレンズのような役割をしていて、ほぼ透明で弾力性のある凸レンズのようなもので、その厚みを変化させてピント調整も行っています。
白内障で水晶体が白くにごってしまうと、外から入ってきた光が乱反射してしまい、視界がかすんで見えたり、まぶしく感じたりします。
乱反射のためきれいな像が結べず、物が二重に見えたりすることもあります。
白内障の最大の原因は老化
白内障の一番の原因は、やはり老化です。
加齢とともに水晶体に含まれるタンパク質が酸化し変性するために起こります。このように加齢によって起こる白内障は、『加齢性白内障』と呼ばれています。
長時間紫外線を浴びていたり、喫煙や睡眠不足などの生活習慣の乱れがあると、水晶体の老化が進むと言われています。
白内障の3つのタイプと早期発見法
白内障で水晶体の濁り方には、3つのタイプがあります。
皮質白内障
皮質白内障は、水晶体の縁から濁っていくタイプで、白内障の中では最も多くなっています。
縁から濁っていくので初期のうちには症状が現れにくいのが特徴になっています。
症状としては暗い時だけ見えにくかったりします。
早期発見のためには、日ごろから見えづらい場面などがないかチェックしておくことが大切です。
特に、暗い所で瞳孔が開き、水晶体の外側にある濁りの部分が現れるために、夜、月が二重三重に見えるといった症状があれば要注意です。
核白内障
核白内障は、皮質白内障とは逆に中心から濁るタイプです。
水晶体が硬くなり厚くなるため、近くにピントが合いやすくなり、一時的に老眼が急に治ったような感じを受けることがありますが、進行すれば再び視力は低下していきます。
もし老眼が治ったように感じるようになったら、核白内障を疑うと良いかもしれません。
後嚢下白内障
後嚢下(こうのうか)白内障は、白内障としては一番少ないタイプで、アトピー性皮膚炎や糖尿病がある人に多くみられます。
水晶体の後ろ側から濁ってくるタイプで、暗い所では見えやすいという特徴があります。また初期の段階から視力が低下してきます。
老化以外の白内障の原因
老化以外にも、白内障の原因はいろいろとあります。
アトピー性皮膚炎・花粉症
アトピー性皮膚炎や花粉症の場合は、まぶたや目のかゆみから目の周りをこすったり叩いてしまったりすることが多くあります。
こうした刺激が白内障を引き起こすことがあります
特にアトピー性皮膚炎の人に起こる白内障は、アトピー性白内障と言われたりしていて、水晶体の後ろ側から濁るタイプの後嚢下白内障が多くみられます。
年齢的にも若年に見られ、10代から30代でも起こってきます。
糖尿病
糖尿病になると、水晶体の中のブドウ糖濃度も高くなってきて、そこでソルビトールがつくられます。
ソルビトールは水晶体の中に蓄積していき、それによって濁り白内障が起こると考えられています。
また糖尿病は加齢性白内障を進行させていくリスクにもなります。
目の周りのケガ
目の周りのケガ、目を強く売ったり、こすったりといった衝撃によって水晶体が傷つき、濁ってしまう場合もあります。
すぐに症状が現れないことが多くなっています。
ぶどう膜炎
ぶどう膜炎も白内障を併発することがあるので注意が必要です。
まずはぶどう膜炎の治療を行っていくことが大切になってきます。
薬によって誘発される白内障
白内障は、緑内障の治療で用いられるピロカルピン目薬の長期使用や、ステロイド内服薬の長年の服用によって引き起こされることがあります。
ステロイド薬の塗り薬を使用する場合は、目に直接入らないなど注意が必要です。