睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、夜間の睡眠中に無呼吸と低呼吸(いびき)を繰り返す病気です。
『無呼吸』というのは、10秒以上呼吸が停止している状態を指し、『低呼吸』とは、息を吸う深さが浅くなっていく状態で、吸気振幅が50%以上減少する呼吸などが10秒以上続く状態のことを指します。
潜在患者を含めると多くの人が睡眠時無呼吸症候群
日本では、睡眠時無呼吸症候群の検査を受けて治療をしている人は、約50万人程度と言われています。
国際的にみてみると、全世界の30~69歳の男女では9億3600万人(95%CI 9.03億?9.70億)が軽症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸だという研究報告があります。
さらに30?69歳の4億2500万人(95%CI 3.99億?4.50億)が重症の閉塞性睡眠時無呼吸に罹患していると推定がされています。
日本は50万人程度だから少ないじゃないかと思われるかもしれませんが、実は、睡眠時無呼吸症候群の潜在患者数は300~900万人にも達すると推計されているのです。
これは、寝ている間の無呼吸ですと、本人はもちろん周りの人もなかなか気付くことができないからです。
だからこそ、睡眠時無呼吸症候群の検査が重要になってくるのです。
睡眠時無呼吸ってどうやって調べるの?
睡眠時無呼吸症候群を調べるのには、睡眠時無呼吸を調べるわけですが、簡単に調べられる『携帯用睡眠時無呼吸検査装置』というものがあります。
これは、鼻の穴の中に呼吸を調べる小さなチューブを入れ、指先に脈と血流を調べるセンサーを付けます。
そして、手首に記録装置をつけて終了です。
これだけですので、特に痛みもなく、普通に家庭用の血圧計で血圧を測るような感じで測定できます。
クリニックなどの医療機関で借りた装置を、自宅で寝る前につけて、一晩測定し、翌日持参すればOKなのです。
ポリソムノグラフィ
睡眠時無呼吸は、『携帯用睡眠時無呼吸検査装置』で簡単に測定できますが、さらに詳しく調べることもできます。
それが『ポリソムノグラフィ(PSG)』という装置で、これは装置が設置してある専門の施設に入院して検査する形になります。
そのかわり、この『ポリソムノグラフィ(PSG)』では、脳波・心電図・筋電図の他、鼻の気流、呼吸するおtきの胸と腹の動き、酸素飽和度、睡眠時の姿勢、いびきの音といったものまで測定することができるのです。
睡眠時無呼吸症候群かどうかの判定は
睡眠時無呼吸症候群かの判定ですが、10秒以上の呼吸停止が、1ジカ?んに平均5回以上、または一晩(7時間)の睡眠中に30回以上認められた場合は、『睡眠時無呼吸症候群』という診断になります。
多くの場合が、扁桃肥大などにより喉がつまる閉塞性のものが原因で、特に原因となる病気がない場合が多く、肥満の人に多くみられます。
脳に原因のある中枢性のものが原因の場合もありますし、睡眠時無呼吸症候群についてはいろいろな治療法も開発されているので、異常があれば、専門医に相談することがオススメです。