神経を抜いた歯は脆くなる | 健康トピックス

虫歯になり、神経まで細菌感染をしている場合は、歯の神経を取り除いて、洗浄・消毒・薬剤充填を行う根管治療が行われます。

歯の神経を抜くと歯は脆くなる

歯の神経がある歯髄は、歯の一番外側のエネメル質の内側にある象牙質よりさらに内側にあって、歯に栄養を送ったり、虫歯の悪化を食い止めたり、痛みを知覚させたりしています。

この部分が細菌感染してしまうと、歯が痛んだりして、歯の神経を抜かなければいけなくなります。

しかし、その機能面はもちろん、美容面からも、できれば歯を抜きたくないという人も多いと思います。

歯の神経を抜くことで、歯髄を削りとると、象牙質が失われたままの状態になり、抵抗力が失われるので、虫歯になりやすくなったり、虫歯が進行しやすくなってしまいます。

さらに歯の神経を抜いてしまうと、そこに神経がないために、痛みなどを知覚できず、虫歯や歯周病の発見が遅れる原因になります。

また詰め物が不完全だとそこから細菌が侵入し、細菌が増殖し、歯の根に膿が溜まってきたり、歯に栄養が行きわたらなくなるため歯が脆くなり割れてしまったりします。

歯の中にある神経は、通常は無菌的な状態になっていますが、歯の神経を取る際に歯に穴を開けた瞬間、大気中の細菌が神経の穴に入ってしまいます。

歯の神経や血管は無数に存在していて、木の根のように複雑になっていて、メインの神経を除いても、細い神経や血管を全て取り除くこと自体難しく、残った細い血管などが細菌により腐り、歯の根の先に膿が溜まっていってしまったりします。

神経を抜いた歯の寿命

神経を抜いた歯の生存率は、約5~30年と言われています。

場合によっては、神経を抜いた後に1年もしないうち抜歯となってしまうケースもあります。

もし20歳で虫歯になり神経を抜いた場合、25歳~50歳程度で歯がダメになり抜歯となる確率が高いと言えます。

歯の神経を抜くかない歯髄再生治療って何?

そこで、『歯髄再生治療』という治療法があります。

『歯髄再生治療』は、行っている歯科医はまだまだ少数ですが、歯髄を抜かなければ痛みが取れないという状態の歯に対して、乳歯やオヤシラズなどから『歯髄幹細胞』を移植して、歯髄や象牙質を蘇らせる治療法になります。

『歯髄再生治療』は、親知らずなどの不要な歯を抜歯し、そこから歯髄幹細胞を採取し、それを1ヵ月程度培養します。

治療する歯の歯髄を取り除いたら、まずは除菌し、そこに培養した歯髄幹細胞と、遊走因子の「G-CSF]を一緒に移植します。

すると、遊走因子「G-CSF」の働きにより、細胞は根管内に溜まって、血管の申請や神経の伸長、歯髄の再生などが促進され、象牙質まで再生してきます。

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