夏休みというと、海水浴に蝉取り、そして浜辺でのスイカ割りといったように、夏の風物詩としてよく登場するスイカは、非常に利尿作用に優れた果物として知られています。
スイカの原産と種類
スイカの原産はいろいろ諸説ありはっきりとしたことがわかっていませんが、熱帯アフリカが有力だと言われています。
スイカの歴史は古く、4000年前に栽培されていたと言われています。日本からみてエジプトですから、まさに西のほうから来たということで、スイカ(西瓜)となったのかもしれません。
中近東の砂漠地帯では、飲料水の代わりに重宝されていたのでしょう。
スイカが日本に入ってきたのは14~15世紀とされていて、スイカの本格的栽培が始まったのは明治時代で、現在のスイカのもととなる多くの品種が欧米から伝わりました。
スイカで人気があるのは、小玉スイカで大きさが1.5~2kgの小さめのもので、果肉が柔らかく甘味が強いことから好まれて食べられています。
さらに八百屋や青果店の店頭に目立つように並べられている大きな市場の主流とも言えるのが大玉スイカで、重さは5~7kgもあり、果肉が赤色の紅大が主流になっていますが、果肉が黄色い黄肉種のものもあります。
店頭には形が球形ではなく、ラグビーボールのような楕円形のもので重さが2~4kgの赤肉種のスイカがありますが、これは見た目どおりラグビーボールという品種で、甘味が強くしゃりしゃりとした食感になっています。
その他、日本各地には特産のスイカがあり、細長く俵型でソモサが10kg以上にもなる超大型の黒部スイカ、奈良県の綿がない富研という品種のスイカ、さらに種なしのものまでいろいろと品種があります。
スイカの成分

スイカというと、英語では watermelon というぐらい水分が多く含まれた果物で、夏場の水分補給に重宝されていることから、ほとんど水というイメージがありますが、栄養素もしっかりと含まれています。
スイカには、利尿作用に優れたカリウムやシトルリンが多く含まれていて、むくみの解消や高血圧予防にも良いとされています。
さらには、水溶性の色素成分として抗酸化作用があるアントシアニン、トマトでもおなじみの赤色色素の抗酸化成分であるリコピンも含まれているほか、緑黄色野菜に匹敵するほどのβ-カロテンも含んでいます。
これらのアントシアニン、リコピン、β-カロテンは、黄肉種よりも赤肉種のほうに多く含まれています。
さらにスイカには、果糖やブドウ糖などの糖質も多く含まれているため、水分補給とともに疲労回復にもつながります。
その他、マグネシウムやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、食物繊維なども含まれています。
美味しいスイカの選び方
スイカは、ウリ科スイカ属の旬が夏の果物ですが、美味しいスイカの見分け方にはちょっとしたコツがあります。
最近では、スーパーなどでもカット売りをされている場合があり、この場合は果肉の色がチェックできます。
果肉の色は、もちろん鮮やかなものを選ぶと良いでしょう。
種が真っ黒で周りに隙間のあるものが美味しいとされています。
カットされていない場合は、はりとつやで判断し、縞があるものは、縞がはっきりとしたものが上質と言われています。
丸ごと売られているものなら、冷蔵庫保存で約2週間、カットされているものならば、2~3日で食べると良いでしょう。
冷えすぎると味が損なわれるので、水道水などで冷やすのも良いでしょう。