茶うがいの効力 | 健康トピックス

お茶の葉には、渋味のもととなるポリフェノールの一種であるカテキン類、苦味のもととなるカフェイン、旨味成分といわれているテアニンやグルタミン酸等のアミノ酸、各種ビタミン(B、C、D、E)、フラボノール、クロロフィル・カロチン(ビタミンA)・アントシアンなどの色素類、亜鉛・フッ素・セレンなどの微量金属類、遊離糖類、多糖類、サポニンなどが含まれています。

奈良県立医科大学の研究

奈良県立医科大学の研究では、試験管内での話ですが、市販のお茶の中に新型コロナウイルスを入れて時間の経過とウイルスの感染力の変化を調べた結果、ざっくり言ってたった1分で99%が消滅し無害化を確認したという研究結果が出ています。

お茶とインフルエンザウイルスに関しては、お茶に含まれているカテキンが、インフルエンザウイルスなどの表面にある突起状のスパイク蛋白にくっつき、感染力をなくすことが知られていて、そのカテキンを多く含むお茶で、新型コロナウイルスの感染防止効果があることが明らかにされています。

お茶により感染力のある新型コロナウイルスは、たった1分で100分の1、10分では1000分の1にまで減少するという結果になりました。

もちろん、試験管内での話なので、これで即、お茶を飲めば新型コロナの予防につながるということにはなりませんし、変異株にどの程度有効なのかは研究段階です。

https://www.naramed-u.ac.jp/university/kenkyu-sangakukan/oshirase/r2nendo/documents/ochahp.pdf

お茶でうがいの効果を期待

鼻や口からウイルスが侵入するとすぐに細胞には入らず咽頭部にいる白血球がこのウイルスを捕まえ喉に滞在し炎症を起こします。

この状態のコロナならお茶でうがいをすればカテキンの力で不活性化できるのではないか?と考えることができます。

うがいを1分間継続するのは難しく途中で息苦しくなってしまったりするので、20秒ずつを三回とか一日数回とかに分けたり、人と会う前後にうがいするのもオススメです。

頻繁にお茶でうがいをすることで感染のリスクを低減できる可能性があるのです。

一方、お茶はうがいではなく飲んだ方が、殺菌作用が高いという話もあります。これは、うがいだけではお茶は喉の奥までは到達せず、飲むことで喉のウイルスを胃まで流し、胃酸で死滅させることができるという諸説です。

京都府立医科大学の研究

また茶カテキンが、唾液中のウイルスを不活化、つまり感染能力を失われせるという京都府立医科大学の研究報告もあります。

茶カテキン類がウイルスのスパイク蛋白に結合し、細胞への感染能力を低下させ、試験管内で唾液中に加えたウイルスに対して、茶カテキン類による迅速かつ効果的な不活化がみられています。

試験管に健康な人の唾液とコロナウイルスを入れた上でお茶を加えたところ、10秒ほどで不活化が確認され、ウイルスが細胞に侵入する際に結合するスパイクタンパクに、カテキンが先に結び付くことで侵入を防いだのです。

「お茶を10秒ほど口に含んでから飲むことで、飛沫感染が少なくなって集団感染を減らす可能性がある」ということなので、飲食店などで食事をする前に、みんなで高濃度茶を口に数十秒含むというようなことも有効かもしれません。

https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2021/files/27253.pdf

京都府立医大の松田修教授は、いずれも試験管内の実験結果で、ヒトでの効果は臨床研究で今後明らかにする必要があると前置きした上で、新型コロナウイルスの性質について、唾液の中に存在することで飛沫を通じて感染を広めるとする一方、鼻腔からの感染対策にはあまり役に立たないと推察しています。

そこで、お茶でのうがいを口だけではなく、鼻うがいもしたら、鼻腔粘膜についているウイルスにも効果があるかもしれません。

緑茶に含まれる成分と感染対策の茶うがい
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