視力眼科医とは | 健康トピックス

日本では、結膜炎や白内障、緑内障、網膜剥離、加齢黄斑変性症といった眼の疾患は、眼科医が治療したり予防したりします。

もちろん眼科医を英訳すると ophthalmologist という単語があるとおり、米国でも眼科医がいて、結膜炎や白内障、緑内障、網膜剥離、加齢黄斑変性症といったあらゆる眼の疾患を治療しています。

米国の視力眼科医

しかし、米国には optometrist というものが存在します。

日本語に直すと『視力眼科医』とか『検眼士』になります。

なぜ、眼科医(ophthalmologist)がいるのに、わざわざ視力眼科医(optometrist )がいるのでしょうか。

『視力眼科医』または『検眼士』は、視力を維持・回復するためのケアを専門に行います。

つまり米港では専門がわかれていて、それぞれの分野で研究が進んでいて、視力維持や視力回復に関しても、専門的な分野が必要であるとしています。

そして、視力維持や視力回復に関しては、目と同様に脳も見ているという考え方になっています。

日本には視力眼科医はいないのか

日本には、視力眼科医はいないのでしょうか。

残念ならがら日本には『視力眼科医』という資格はありませんので、当然、視力眼科医なるものは存在していません。

しかし、日本にも米国の視力眼科医に近い仕事をする『視能訓練士』という資格をもった人がいます。

この『視能訓練士』国家資格で、両眼視機能に障害のある患者に対して、その機能の回復のために矯正訓練を行ったり、それに必要な検査を行ったりしています。

日本視能訓練士協会という公益社団法人もあります。

国家試験を受験するにも資格が必要で、高校を卒業後に指定された視能訓練士養成施設で3年以上必要な知識や技術を修得するか、大学や短大または看護師や保育士の養成機関で指定科目を履修した後に指定の視能訓練士養成施設で1年以上必要な知識や技術を修得し、視能訓練士養成所を卒業しなければなりません。

または、外国の視能訓練士の学校を卒業した者、または外国で視能訓練士の免許に相当する免許を受けた者で、日本の養成学校で学んだのと同等の技術があると厚生労働大臣が認定した者となります。

『視能訓練士(certified orthoptist )』は、具体的にはどんなことをやるのかというと、両眼視機能・眼位・眼球運動検査、斜視および弱視の視能訓練などの視能矯正を行います。

さらに、視力検査、屈折検査、眼圧検査、視野検査、眼底・前眼部の写真撮影および画像診断検査、角膜形状検査、電気生理検査、超音波検査といった視機能検査を行います。

これらに加えて、3歳児健康診査、就学時健康診断、生活習慣病予防健診などの健診での検査も行います。

さらに、ロービジョンケアといって、眼疾患や外傷などにより視機能が低下した状態となったロービジョンの見えにくさを様々な方法で補い生活の質(Quality of Life)の改善を支援するために、拡大鏡、単眼鏡、遮光眼鏡、拡大読書器などの選定、日常生活上の工夫や支援機関の紹介などを行います。

日本の視能訓練士と米国の視力眼科医の違い

日本の視能訓練士と米国の視力眼科医には、決定的な違いが1つあります。

それは、米国の視力眼科医は、その名前にも『医』という言葉がつくように眼科医とは別に独立しているのに対し、日本の視能訓練士は、眼科医のもとでの仕事ということになり、診療や治療は行えません。

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