ノロウイルスもロタウイルスも、いずれも五類感染症を引き起こすウイルスで、次亜塩素酸消毒などが必要になってきます。
ノロウイルス
『ノロウィルス(Norovirus)』は、カリシウィルス科で、五類感染症に分類されています。
手指や食品等を介して感染し、嘔吐、下痢、腹痛等を起こすことで知られていますが、ノロウィルスによる食中毒事例では、原因食品の判明していないものも多くあります。
食品取扱者を介して二次的に食品が汚染されることで感染が拡大することも多いのがノロウイルスの特徴でもあります。
ノロウイルス感染の原因の一つとして貝類 (二枚貝)があります。
ヒトーヒト感染もするロウイルス
ノロウイルスは、少量のウィルスでも発症して、感染者は多量のウィルスを糞便中に排泄し、ヒトーヒト感染も報告されています。
ノロウイルスの潜伏期間は24~48時間と言われていて、主症状は、下痢、嘔亦、吐き気、腹痛、38℃以下の発熱などがあげられます。
対策としては、手指をよく洗浄し、食品を取り扱う際には十分に注意し、手洗いを徹底にすることが一番です。
調理器具等は洗剤等を使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム (塩素濃度200ppm)で浸すように拭くか、熱湯で1分以上の加熱することが有効。
二枚貝については、85~90℃で90秒以上、中心部まで十分に加熱することが大切です。
野菜等の生鮮食品においては、十分に洗浄するようにします。
ロタウイルス
ロタウイルスは、五類感染症に該当します。
冬場から春先にかけて、ノロウィルスの流行に入れ替わるようにして生後4カ月から2歳位までの乳幼児に多発する乳幼児下痢症の原因ウイルスがロタウイルスです。
ロタウィルスによる下痢症は全世界で発生していますが、特に栄養状態の悪い熱帯地方の発展途上国では乳幼児の死亡の重要な原因の一つにもなっています。
ロタウイルスの主な感染ルートは、ウイルスに汚染された器物を介して、手指からロへと感染する糞□感染になります。
食品による媒介の例としては、ちらし寿司、にぎり寿司などがあり、海外ではサラダやサンドイッチなどもみられています。
ロタウイルス感染の潜伏期間は2~4日で、突然の嘔吐から始まリ、水様性の下痢がみられ、発熱、吐き気、腹痛を伴うことが多くあります。
下痢便の色は米のとぎ汁様の白色または黄白色のことが多く、胃腸炎が治癒した後も1週間~1カ月、便からウイルスが検出されます。
ロタウイルス対策としては、手洗い、うがいが基本となります。
下痢乳児のオムツを替えた後などは、丁寧に手洗いをすることが重要となってきます。
吐物にもウイルスが含まれているので注意が必要ですし、汚染された衣類などは次亜塩素酸消毒をするようにします。