食品と放射性物質 | 健康トピックス

食品と放射性物質との関係を考える場合、自然界での被爆、大気汚染などによる影響を考えなければなりません。

実は食品を通した放射線内部被ばくのほとんどが自然界から

食品の放射性物質による被ばくというと、多く行われている大気圏核実験や原発事故で、これらは確実に食品を汚染しています。

しかし、食品を通した放射性物質の内部被ばくのほとんどを占めているのが、自然界に放射性物質によるものになっています。

食品に広く存在している元素の1つにカリウムがありますが、カリウムには0.0117%の割合で、放射性元素であるカリウム40が存在しています。

しかし、こうした自然界に存在する放射性物質は、生命誕生以前から存在しているもので、食品の安全性に影響を及ぼすとは考えられていません。

放射線を浴びることが被ばく、放射線源が体内にあれば内部被ばく、そうでなければ外部被ばくという言い方がされます。

問題となる汚染による放射線

人類はおろかなことに、いろいろと自らの手で地球を汚染してきました。

多数の大気圏核実験、原発事故などです。

福島第一原発事故では、2012年4月1日より、食品中の放射性物質(放射性セシウム)に関する基準値が設けられています。

飲料水では10Bq/kg、牛乳では50Bq/kg、乳児用食品では50Bq/kg、一般食品では100Bq/kgとなっています。

ちなみに、放射性セシウムの基準値は、コーデックス委員会では乳幼児用食品・一般食品ともに100Bq/kg、米国では食品区分に関係なく一律1200B1/kgになっています。

Bq(ベクレル)は、放射能の強さを表す単位で、1Bqは、1秒間に1個の原子核が崩壊しえ放射線を出す放射能の強さになります。

一方、Sv(シーベルト)は、放射線を浴びた時の人体への影響度を数値化した単位になります。

放射性セシウムは、セシウム134とセシウム137の合量で、セシウム以外の放射性核種であるストロンチウム90、プルトニウム、ルテニウム106の影響を考慮したものになっていて、ヒトが限度レベルの汚染食品を一生食べ続けたとしても、ヒトの健康に悪影響を全く与えないレベルとして、食品中の放射性セシウム等からの追加の被ばくが年間1ミリシーベルトを超えないように求められています。

コーデックス委員会・EUでは、食品中の放射性セシウム等からの被ばくが年間1ミリシーベルトを超えないように、米国では年間5ミリシーベルトを超えないように基準値が設定されています。

放射性物質による食品汚染

日本では、福島第一原発事故の翌年以降は、食品中の放射性物質に関する基準値にもとづいて、厳しく管理されているので、市場に流通している汚染食品は皆無と言えます。

一部地域の山菜やキノコ、イノシシをはじめとする野生動物などでは、汚染がみとめられています。

最新情報をチェックしよう!