パニック障害の原因と心理療法 | 健康トピックス

パニック障害は、突然に動悸・急な発汗・息切れ・めまい・吐き気・脈が速くなるなどの発作を起こすものです。パニック障害の発作は、一定の時間が立つと治まります。

ところが発作のあとに検査をしてみても、どこも悪いところはみつかりません。でも、その後も数日をおかずして発作を繰り返す人もいます。

パニック障害の原因

パニック障害は何で起きてしまうのかというと、これははっきりしたことがわかっていません。特別の原因もなく起こる不安の発作です。

心理的原因がそうさせているのではないかという説もありますが、これは疑問視されています。

脳内のノルアドレナリン系の過敏・過活動、セロトニン系の機能不全といった脳機能の異常が原因ではないかとする説が有力視されています。

パニック障害の特徴

突然、次のような症状を伴う強い不安の発作に襲われます。これらの発作は、急速におきて、数分から数十分くらい続いてからおさまります。
発作は繰り返して起こることもあり、ひどい場合だと毎日起こり、週1回以上はこのような発作が起こります。

  • 動悸(心臓がドキドキする)
  • 頻脈(脈が速くなる)
  • 胸苦しい
  • 息苦しい(ハーハー息をしたり、息がつまったような感覚になる)
  • めまい
  • 震え
  • しびれ
  • 体が熱くなる
  • 体が冷たくなる
  • 当然発汗が起こる
  • 吐き気
  • 腹部不快感などの身体症状

これらの発作は、何かのきっかけで起こることもありますが、そうでない場合もあり、原因となるような身体疾患はありません。

パニック障害の治療

パニック障害の治療は大きくわけて、心理療法と薬物療法があります。また生活習慣において注意する点もあります。

心理療法

パニック障害の発作を繰り返し、それを放っておくとその不安をアルコールで紛らわそうとしてアルコール依存症になってしまうこともあります。
また、発作に対する不安が原因で気分障害・うつ病になってしまうこともあります。

さらには、もし発作が覆ったとき逃れられない、助けてもらえない、恥ずかしいといったことから、広場恐怖といって一人で外出したり、遠出をしたり、乗物に乗ることを避けるようになったりします。

心理療法は、認知行動療法という方法がパニック障害の治療に使われています。
これは、例えば、運動した後、生理的に心臓がバクバクしたことを気にしすぎて、それがパニック発作のきっかけになってしまうという人もいますが、こうした場合は、運動した後にまた同じようになるのではないかと不安に思うと、その不安で頭がいっぱいになり、そのことに意識が集中してしまい、感覚が敏感になってしまい、ますます身体症状が助長されてさらに不安を感じるという悪循環になってしまいます。

こうなると普通の生理的現象ですら病的な状態ととらえてしまって、不安感が高まり発作を起こしてしまうことになります。

また、飛行機や地下鉄に乗っていたとき発作を起こしてしまい、それがきっかけで飛行機や地下鉄に乗るのが怖くなってしまうといったケースもあります。

こうした発作のきっかけと思っていることに段階的に直面していき、発作が起こらないということを認識させて、徐々に恐怖感を取り去っていく治療法が、認知行動療法になります。

やり方としては、自律訓練法などで、体をリラックスさせて、例えば地下鉄に乗ることに恐怖を感じているのであれば、まずは電車がくる直前の駅のホームに立っているところをイメージしてクリアしていきます。リラックスしていれば、多少の恐怖がわいても、動悸や息切れなどは起こりません。

このようにして同じレベルの恐怖場面を3回以上クリアできたら、次の段階へとレベルを上げていき、最終的には満員の地下鉄に乗っても大丈夫というように恐怖感を取り除いていくのですが、治療には根気が必要で、半年から1年が必要と考えられ、根気強い治療が必要ですが、再発が少ない治療法でもあります。

 

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