2つの栄養療法 | 健康トピックス

動物は、口から食物を取り入れ、消化器で消化をして栄養を取り入れていますが、何らかの疾患などで、うまく口から経口摂取できない場合、栄養療法が行われます。

栄養療法のPNとEN

栄養療法(Nutrision Therapy)には、大きく分けると静脈栄養(PN:Parenteral Nutrition)経腸栄養(EN:Enteral Nutrition)の2つがあります。

さらに、静脈栄養は、中心静脈に直接栄養輸液を入れて行う中心静脈栄養(IVH:intravenous Hyperalimentation)と、末梢静脈から栄養を入れていく末梢静脈栄養(PPN:Peripheral Parenteral Nutrition)に分けることができます。

経腸栄養は、傾向的に投与する『経口法』と、チューブを介して栄養を入れる『経管栄養法』があります。

PNなのか、ENなのか

栄養療法を考えるときに、PN(静脈栄養)になるのか、EN(経腸栄養)になるのかという問題がありますが、疾患や疾病によって、どの栄養療法を選択するのかということではなく、栄養障害という病態に対して、消化管が使用できるかどうかで選択されます。

ASPEN(American Society for Parenteral and Enteral Nutrition)のガイドラインによると、栄養学的アセスメントによって、何らかの栄養補給が必要であると判断された場合、消化管の使用が可能であれば経腸栄養法を選択すべきであるとしています。

そして、静脈栄養とすべき場合は、腸閉そく、腹膜炎、頑固な嘔吐、急性膵炎、短腸症候群といった消化管の使用が不可能な場合にのみとしています。

日本では、日本静脈経腸栄養学会により『静脈・慶弔栄養ガイドライン』が出されていて、静脈栄養は、経腸栄養が不可能か経腸栄養のみでは不十分なときに用いるとされています。

また静脈栄養を選択した場合、これが短期間で済むと予想される場合は、末梢静脈栄養とし、長期にわたると予想される場合や水分の制限が必要な場合は、中心静脈栄養になります。

経管栄養法が短期間、おおむね1カ月ぐらいで済みそうならば、経鼻アクセスを選択し、誤嚥のリスクがないのであれば、胃まで管を入れて「経鼻胃管栄養法」、誤嚥リスクがあるのであれば、「経鼻十二指腸栄養法」「経鼻空腸栄養法」が行われたりします。

経管栄養法が長期間、おおむね1カ月を超えそうな場合は、経瘻孔法が選択されたりしますが、「胃瘻」や、場合によって誤嚥リスクがある場合には「空腸瘻」を考えますが、消化管瘻を造設する手術・手技が必要となってきます。

また、消化管の機能が回復してきた場合は、静脈栄養から経腸栄養に移行していきます。

経腸栄養でも、消化管n消化吸収機能が正常であるなら、半消化態栄養が選択されます。

経管栄養は、まず白湯から

経管栄養を行う際、多くの場合まずは白湯から行われ、終わりも白湯が使われます。

栄養剤を入れる前に白湯を通すことで、ルートが詰まっていないかを確かめることができます。

また最後にイリゲーターを外してチューブにぬるめの白湯を50mLほど注入することで、栄養剤がチューブ内に残らないようにすることができます。

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