風邪やインフルエンザの季節になってくると大活躍するのが体温計。
人によっては、体温計で体温を測って、38℃とか熱があると、それだけで体がだるくてなって弱気になってしまうから体温計は使わないという人もいるかと思います。
いろいろと便利になった体温計
今はいろいろな体温計があり、20秒~60秒で測定ができてしまう予測式体温計、さらには鼓膜やその周辺の赤外線量を測定することで、たったの1秒で体温を割り出してしまう耳式体温計などがあります。
37℃という数字
今ではあまり見られなくなりましたが、昔は体温計の中に水銀が入っている水銀体温計が主流でした。
昔の水銀体温計の目盛りをみると、37℃の文字だけ赤字になっていたりします。
そこで37℃未満だと平熱、37℃以上になると発熱というイメージがある人もいます。
それではなぜ、37℃の文字が赤くなっているのかというと、多くの日本人の平均体温が37℃に近いからだと言われています、
体温計メーカーのテルモの資料によると、10歳から50歳前後の健康な男女3000人以上の体温の平均値を割り出したところ、腋の下の計測で36.89℃となり、7割の人の平熱が36.6~37.2℃の間ということです。
日本人の平均的な平熱として37℃が赤字で示されるようになったのでしょう。
平熱を把握しておくことが大切
同じ37℃でも、普段の平熱が37.2℃の人であれば、これは正常ということになりますが、普段の平熱が36.2℃の人であれば、発熱しはじめているととれるでしょう。
体温が平熱とくらべて明らかに高ければ発熱ということになります。
ちなみに、感染症法では37.5℃以上を発熱、38.0以上を高熱と分類しています。
平熱はどうやって計るのか
人間は歳を重ねるとともに徐々に体温が下がっていきますし、また1日の間でも体温の上下があり、1℃弱は平気で変動しています。
季節によっても違ってきます。
そのため医療の現場では、1日4回検温し、その平均をとって平熱としたりしているところも多くなっています。
朝起きた時、午前中、夕方の4時頃、そして寝る前の4回測り、その平均値をとったりするのです。
食後は体温が上がりますので、食後を避け、食前や食間に検温するのが普通です。
普通はそんなに1日に何回も体温を測っていられないと思いますので、体温を測定する時間・部位を決めて、週に2~3回検温し、1~2ヵ月の平均値を出しておき、それを平熱とすると良いでしょう。
もしできれば、決めた時間で1日4回体温を測定し、間を置いて数回図ることで、時間帯による平熱を把握しておくと良いかもしれません。
高齢者は、再度平熱をチェック
人間は歳を重ねるとともに徐々に体温が下がってくるものですので、若いころの平熱が36.8℃であったとしても、それよりも下がっている可能性が高いです。
平熱が下がっているために、風邪をひいてもあまり熱が出ないことから大したことはないと判断してしまう場合もあります。
若いころの平熱しかわからないという場合は、一度平熱を測り直してチェックしておくことも大切です。