4系統つの神経伝達物質 | 健康トピックス

脳では、無数の細胞が連携し合っていて、他の器官には見られない複雑な機能を可能にしていますが、その主役となるものがニューロン、つまり神経細胞です。

そして、このニューロン(神経細胞)からニューロンへと、さらにはニューロンから他の器官へと電気信号が伝わっていくことで、いろいろな機能が発揮されるわけですが、神経終末に届けられた電気信号が、そのまま他のニューロンに届くことはなく、そこにはいくつもの神経伝達物質が缶よして、その媒介機能を担っています。

神経伝達物質の存在とその4系統

神経伝達物質の存在が明らかになったのは、1921年、アセチルコリンがはじめて発見されて以来で、それ以降、数多くの神経伝達物質が脳内にあることが数々の研究によって明らかにされてきました。

そして、現在では数多く存在している神経伝達物質は、4系統に分類されています。

そしてその数は60種類以上にも及ぶと言われています。

神経伝達物質を大きく2つに分けると、『小分子伝達物質』『神経ペプチド』になりますが、『小分子伝達物質』は大きくモノアミン類、アミノ酸、アセチルコリンの3つに分けることができます。

従って、モノアミン類・アミノ酸・アセチルコリン・神経ペプチドが、神経伝達物質の4系統になります。

モノアミン類とアミノ酸

モノアミン類に属する代表的な神経伝達物質には、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミンなどがあります。

これらは、いずれもアミノ酸のチロシンから作られ、カテコール基という化学構造をもつことから、『カテコールアミン』と呼ばれたりもします。

そして、アドレナリン・ノルアドレナリン・ドパミンなどを神経伝達物質として用いるニューロンは、『カテコールアミン作動性ニューロン』と言われ、気分や運動、自律神経の調整に関係しています。

さらに、モノアミン類には、カテコールアミンの他にも、セロトニンヒスタミンなどがあります。

セロトニンは、気分や情動に深く関与していて、うつ病への影響が指摘されています。

神経伝達物質としてのアミノ酸には、グルタミン酸GABAなどがあります。

そして、アミノ酸には、興奮性シナプス伝達を促すものと、抑制性シナプス伝達を促すものがあります。

興奮系伝達物質の代表がグルタミン酸で、抑制系伝達物質の代表がGABAになります。

アセチルコリンと神経ペプチド

アセチルコリンは、脊髄や脳幹などの運動性ニューロンで作られ、アセチルコリンを伝達するニューロンは、『コリン作動性ニューロン』と呼ばれています。

そして、脳幹や脊髄から各部位の筋肉に向っているニューロンは、全てコリン作動性のニューロンになっています。

アセチルコリンの機能障害は、重症筋無力症などの運動障害につながることもあります。

神経ペプチドは、その種類が50種類以上と非常に多く、中枢神経系のあらゆる場所に分布していて、低濃度でシナプス後細胞に作用して長時間作用が続くという特徴があります。

代表的な神経ペプチドとしては、ニューロペプヂトYやコレシストキニンなどがあります。

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