人の特徴とSNP(スニップ) | 健康トピックス

遺伝子の話をするときに、よく似たような単語があって混乱しがちなので、まずはそのあたりを整理しておこうと思います。

染色体・DNA・ゲノム・遺伝子はどう違うのか

生物には、遺伝の情報が組み込まれています。

この遺伝情報を、わかりやすく百科事典に例えてみます。

『ゲノム』は、人間の中に、遺伝に関する情報全てで、つまり百科事典であれば、1巻から最終巻まで全ての冊がそろった1セット全体がゲノムにあたります。

染色体1番、染色体2番とよく言われますが、それらをまとめて全てが『ゲノム』です。

『染色体』は、大切な遺伝情報をまとめた百科事典の1巻1巻にあたります。大切な情報が1つ1つの染色体に含まれています。

『DNA』は、その百科事典に書かれている文字、つまり情報そのものにあたります。

『遺伝子』は、その文字の中で、内容に関して大切な部分であり、DNAの中で、蛋白質の設計情報を持つ部分にあたります。

人の特徴と深い関係があるSNP(スニップ)とは

DNAには、ありふれた遺伝子の変化があり、これは染色体上の同一部位にもかかわらず、異なるヌクレオチド配列になっている部分があります。

このヌクレオチド配列の変化は、100人に1人以上の頻度で見いだされ、機能的いんは大きな違いがない場合は、『遺伝子多型(DNA多型)』と呼ばれます。

そして、1つのヌクレオチドの違いによる多型、つまり一塩基多型のことをSNP(single nucleotide plymorphism)(スニップ)と呼びます。

このSNP(スニップ)で、髪の毛の色や目の色、肌のタイプ、性格などの人間の特徴が変わってきます。

お酒に強い人と弱い人がいますが、こうしたものも、このSNP(スニップ)の違い、つまり塩基がたった1カ所異なるだけで、変わってきます。

SNPは、遺伝子多型による個人差に大きく影響を及ぼし、髪の毛の色や目の色といった外見的な特徴のみならず、ある特定の薬に対する効き目が違ってきたり、肌の乾燥のしやすさとかなどにも影響を与え、こうした個人差は『表現型』と呼ばれています。

同じ薬を飲んでも、効き方や副作用の出方に違いが出てくるのも、こうした個人差によるもので、特定の疾患とSNPの関連を突き止める研究も数多く行われてきています。

SNPは、蛋白質の形や性質、薬の効き方や病気のリスクに影響を及ぼしていますが、外見の特徴や病気のかかりやすさといったものが、すべてSNPによるものというわけではありません。

遺伝子検査

SNPの違いにより、病気のかかりやすさなども違ってきますが、たとえ遺伝子検査の結果で、とある病気にかかるリスクが高いと出た場合でも、必ず発症するというわけではなく、環境要因などによるところも大きく、生活習慣をかえることで、発症リスクを軽減できる可能性が高いと言われています。

この逆もしかりで、遺伝子検査の結果、とある病気にかかるリスクが低いという結果が出ても、環境要因によって発症する可能性が高くなるケースもありますので、環境要因、つまり普段からの生活習慣は健康面で非常に大切であるということになります。

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