唐辛子に関連したトリビア | 健康トピックス

唐辛子は、辛味をつける香辛料としていろいろな料理に使われるだけでなく、蕃椒(バンショウ)という生薬としても使われています。

さらには、主要成分のカプサイシンは、温感成分として、医薬品や化粧品も幅広く使われています。

蕃椒という形で記載がありますが、唐辛子は本来、漢方薬ではなくオランダ医学の流れを引いた薬草になります。

生薬としての蕃椒

トウガラシは、シソ目、ナス科、トウガラシ属で、熱帯アメリカ原産の植物です。

熱帯では多年草、温帯では一年草です。

ちなみに、柚子胡椒というのは、唐辛子と柚子の皮を塩で合わせ熟成させたものです。

九州には、トウガラシのことを胡椒と呼ぶ地域があることから、柚子胡椒となったようです。

基原植物トウガラシの学名は、Capsicum annuum で、夏に白色の小さな花をつけます。
生薬で使われる蕃椒は、唐辛子の果実で、特異臭と強い辛味があります。

唐辛子の薬効・成分

唐辛子は、消化管の運動を亢進し、唾液分泌や胃酸分泌を促進することで健胃効果を発揮します。

しかし、多量に摂ると、逆に唾液分泌や胃酸分泌を抑制してしまいます。

唐辛子は皮膚血管拡張作用があり、医薬品や化粧品の温感成分としても用いられます。

唐辛子の主成分は、カプサイシン、ジヒドロカプサイシンといった辛味成分で、その以外には、カプサンチンβ-カロテンといった色素成分、カプサイコシドアスコルビン酸などが知られています。

唐辛子にちなんだいろいろなものの名称

唐辛子は、トウガラシ属(Capsicum)に属しますが、これらの植物は袋状の果実をつけることから、ギリシャ語のカプサ(箱)に由来しているのではないかと言われています。

一方、刺激的な味からギリシャ語のカプトー(咬む)に由来するとも言われています。

唐辛子の成分として超有名な成分のカプサイシンは、トウガラシ属(Capsicum)に由来しています。

医薬品のカプセル(capsule)は、唐辛子の語源と同じギリシャ語のカプサ(箱)に由来していると言われています。

ちなみに、トウガラシの学名 Capsicum annuum の annuum は、ラテン語で一年生という意味になります。

唐辛子は、なぜ「中国原産ではないのに「唐」という文字がついたのかというと、この場合の「唐」は単に「外来の」と意味合いになるようです。

日本には、ポルトガルの宣教師が唐辛子を伝えたと考えられていることから、南蛮胡椒や蛮椒、南唐辛子といった別名があるようです。

中国においても、明の時代の本草綱目にも、唐辛子の記載はなく、「蕃椒」という言い方は南蛮人から伝わったことを意味しているのです。
唐辛子を表す英語に、チリソースのチリ(chilli)があります。

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