金銀花と忍冬 | 健康トピックス

金銀花忍冬も、銀翹散に金銀花が処方されているくらいで、メジャーな漢方処方に頻繁に登場してくる生薬ではありませんが、優れた解毒作用や抗炎症作用を持っています。

忍冬が配合された漢方処方には、紫根牡蠣湯(シコンボウレイトウ)、治頭瘡一方(ヂズソウイッポウ)があります。

一方、金銀花が配合された漢方処方には、 荊防敗毒散(ケイボウハイドクサン)、五物解毒散(ゴモツゲドクサン)、千金内托散(センキンナイタクサン)、銀翹散(ギンギョウサン)があります。

同じ基原植物

金銀花と忍冬は同じ基原植物で、スイカズラ(学名:Lonicera japonica)になります。

スイカズラは、英名では Honeysukle、woodbine と呼ばれています。

honeyはハチミツ、sukleは乳を飲ませる、woodは木、bineは蔓(つる)という意味があります。

スイカズラは、学名の japonica からも想像できるように、アカネ目、スイカズラ科、スイカズラ属の日本原産のつる性植物で、日の当たりう平地や丘陵地、川岸などに普通にみられます。

5月から6月にかけて枝の上の方に、葉腋から短枝を出して、2つの花を咲かせ、夏の終わりに2つの黒い実をつけます。

常緑のつる性植物であることから woodbine、花の付け根に蜜腺があってジャスミンに似た甘い香りがすることから heneysukle と英名で呼ばれているのではないかと想像してしまいます。

スイカズラは、花を口に含むと蜜の良い香りがして甘いこと、または花弁の形が子供が水を吸う口の様子に似ていることから、スイカズラとなっています。

金銀花

金銀花は、別名は忍冬花(ニンドウカ)、双花(ソウカ)と呼ばれ、スイカズラの花蕾が用いられます。

金銀花の名前の由来は、花の色が白色から黄色に変化することから名づけられたと言われています。

中国では、スイカズラの茎や葉が生薬として用いられ、葉が冬でも枯れないということから『忍冬』と呼ばれています。

しかし、明の時代には、花のほうが茎や葉よりも清熱作用や解毒作用に優れているということで、主に花が用いられるようになり、『金銀花』が用いられるようになっていきます。

金銀花の成分は、セリルアルコール、ステリンなどの蝋質成分の他、イノシトール、タンニン、ルテオリン、ロニセリンなどといった成分が含有しています。

抗菌作用や抗真菌作用も認められていて、漢方処方においては、解表・清熱解毒の働きをする生薬として用いられ、化膿性皮膚炎や感冒、扁桃炎、腸炎などの感染症に用いられます。

忍冬

忍冬は、スイカズラの茎や葉を用いた生薬で、ほぼ無臭で、渋くてやや苦い味になっています。

忍冬は、別名『シノブグサ』とも呼ばれています。

主な成分は、イリドイド配糖体のロガニン、フラボノイドのロニセリンやルテオリン、アルカロイドのベネトルピン、フェノール誘導体のカフェ酸などを含有しています。

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