熱中症の症状の見分け方と重症度 | 健康トピックス

『熱中症』は、高温多湿環境などによって体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなることにより、体温上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こします。

熱中症の重症度からみた分類

熱中症の主な病型は、『熱失神』、『熱けいれん』、『熱疲労』、『熱射病』の4タイプがあります。

一方、重症度による分類ということで日本精神救急学会が提唱している熱中症の分類にあてはめると、重症度Ⅰ~Ⅲ度の3分類に分けることができます。

そして、熱失神(heat syncope)、熱けいれん(heat cramp)はⅠ度の軽症、熱疲労(heat exhaustion)はⅡ度の中等症、熱射病(heat stroke)はⅢ度の重症に該当します。

重症度別の症状

熱中症の重症度別の症状をみてみると、次のようになってきます。

Ⅰ度(軽症)では、大量の発汗、めまい、筋肉痛、湿疹、筋肉の硬直、こむら返りなどがみられます。

この段階では、皮膚血管の拡張による血圧低下からくる脳血流の減少で引き起こされる立ちくらみや意識障害ではない一過性の意識消失である熱失神や、塩分不足による低ナトリウム血症からくる筋肉のけいれんである熱けいれんが現れてきますが、通常は涼しい所に移動し、安静にして、スポーツドリンクなどで、水とナトリウムをしっかり補給することが大切です。

Ⅱ度(中等症)の場合は、頭痛や嘔吐、倦怠感や虚脱感、集中力や判断力の低下がみられ、熱疲労を起こした状態になっています。

大量に汗をかいたことにより脱水状態になっていることから、全身倦怠感やめまい、吐き気などが起こっているのです。

この段階では、入院治療が必要で、体温管理をしっかりと行い、水と塩分を補給することが重要で、もし口から補給できなければ、点滴により補給することになります。

Ⅲ度(重症)の場合は、熱射病状態で、体温管理などで集中治療が必要になってきます。

意識障害、小脳症状、痙攣発作などの中枢神経症状が現れたり、血液凝固異常がみられたりもします。

さらに、多臓器のダメージによってALTやAST、BUN、Crなどの値が上昇していたりします。

熱中症を防ぐ注意点

熱中症予防で一番は、とにかく暑さを避けることです。

外出するときは、できるだけ日陰を歩いたり、帽子や日傘を使うようにし、家の中ではブラインドやすだれで直射日光を遮断したり、扇風機やエアコンで室温・湿度を調整することが大切です。

服装も、外気からの熱の吸収を抑え、体の熱をスムーズに発散させることができる素材の服を着るなどの工夫ができ、吸収性や通気性にすぐれた綿や麻の素材がオススメで、熱がこもらないように、襟ぐりや袖口があいたものも良いでしょう。

入院の必要がない軽い熱中症の場合は、すぐに涼しいところに移動し、衣類をぬぐなどして体にこもった熱を外に出し、さらにはそこに水をかけて、うちわや扇風機などであおぐことにより、気化熱を奪う方法をとったり、氷嚢や冷たい水がはいったペットボトルなどを首やわきの下、太もものつけ根などにあてて冷やし、体温を下げます。

それと同時に、スポーツドリンクなどでしっかりと水分と塩分を補給することが大切です。

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