腸内細菌のデブ菌とヤセ菌・善玉菌・悪玉菌の関係 | 健康・美容トピックス

米国のセントルイス・ワシントン大学のチームが、「腸内細菌叢が肥満に影響する」という研究報告を発表し、その中で、肥満者の腸内フローラは脂肪を貯めやすい状態であるという報告をしています。

さらに、痩せやすい菌を一時的に増やすのではなく、食事などで継続的に腸内細菌叢の調整や維持をしていくのが改善に必要だともしています。
やせ菌は、余分な栄養を貯め込まないようにし、不足しがちなミネラルの吸収を助けてくれる短鎖脂肪酸を作り出します。

腸内細菌叢(腸内フローラ)は、消化管ホルモンや主に食物繊維や難消化性の糖質の発酵で生じてくる短鎖脂肪酸(炭素数が7以下の脂質 : 酢酸・プロピオン酸・酪酸・イソ酪酸・乳酸・コハク酸)を介して、全身の脂質代謝に作用すると考えられています。
短鎖脂肪酸には、炎症を防ぎアレルギー症状を抑える効果の他、大腸がんを予防する効果、インクレチン(ホルモン)を分泌しインシュリンの分泌を促すことにより糖尿病や肥満を抑える働きなどがあります。

腸内細菌叢のデブ菌とヤセ菌

日本人の腸内細菌叢は次の4つに大きく分類されます。
ファーミキューテス門
バクテロイデス門
プロテオバクテリア門
アクチノバクテリア門

どれがデブ菌(デブになりやすくなる腸内細菌の仲間)で、どれがヤセ菌(デブになりにくくする腸内細菌の仲間)なのでしょうか。
ずばり言うと、
デブ菌 = ファーミキューテス門
ヤセ菌 = バクテロイデス門

デブ菌(ファーミキューテス門)とは

まずデブ菌ですが、名前から想像できるとおり、太ってしまう元になる腸内細菌です。
ヒトが本来消化できない食物繊維などの多糖類を分解する能力があり、エネルギー源として脂肪細胞に貯えます。
太っている人は、このデブ菌が多く、脂肪を蓄積しやすいのでヤセにくいと言われています。

ヤセ菌(バクテロイデス門)とは

ヤセ菌は、そのまま太らない腸内細菌と言えるでしょう。
ヤセ菌は余分な物を体の外に排出する働きがあり、取り込んだエネルギーで筋肉を活発化させ、脂肪を燃焼させる性質もあります。
善玉菌が多いと活発になり便秘も改善します。

善玉菌・悪玉菌・日和見菌

腸内細菌、腸内フローラというと、デブ菌・ヤセ菌よりもよく聞くのが、善玉菌・悪玉菌・日和見菌だと思います。
日本人の腸内細菌叢はだいたい大きく4つに分けられるということでしたが、それを当てはめていくと、次のようになります。

善玉菌 = アクチノバクテリア門(放線菌門)
日和見菌 = デブ菌(ファーミキューテス門) + ヤセ菌(バクテロイデス門)
悪玉菌 = プロテオバクテリア門(大腸菌、サルモネラ、ビブリオ、ヘリコバクター)

善玉菌・悪玉菌・日和見菌の割合は2:1:7が、デブ菌とヤセ菌の割合は4:6がベストだと言われています。
バランスが崩れてデブ菌の腸内の割合が増えてしまうと太りやすく痩せにくくなってしまいます。

肥満にならないデブ菌とヤセ菌の割合

デブ菌とヤセ菌の性質を知っていれば、どのように体に影響するのか理解でき、肥満や病気を防ぐことができます。腸内のデブ菌とヤセ菌は、3対7の割合が肥満にならずに良いとされています。その割合を保つためにも、それぞれの性質や働きを見ていきたいと思います。

デブ菌を減らすためには、まず食生活の改善が必要不可欠です。デブ菌、ヤセ菌それぞれ好む食べ物がありますが、食生活の改善も大変重要です。大きくは以下のようなことに注意しましょう。

  • きちんと3食、できれば決まった時間に食事をする
  • スイーツなどの甘い物や塩分の過剰な摂取は控える
  • できれば寝る3時間前までに食事は済ましておく
  • 野菜もきちんと食べる

デブ菌が増える元になる食べ物

太る食事

砂糖:悪玉菌を増やす大きな原因のひとつ。白い砂糖や人工甘味料を避け、 ハチミツやオリゴ糖などを使用するようにしましょう。
揚げ物:飽和脂肪酸を多く含む揚げ物は悪玉菌の好物です。コレステロールが血管に蓄積され、肥満の元になってしまいます。
小麦粉:小麦粉に含まれるグルテンは食欲を促進させるだけでなく血糖値を上昇させてしまいます。グルテンフリーダイエットが注目されつつあり、パンやケーキ、クッキーなど小麦粉を多く使用している食べ物の取り過ぎには注意しましょう。
添加物:市販の総菜やコンビニ弁当、おにぎり、サンドイッチなどには保存料や防腐剤など多くの添加物が含まれています。取り過ぎると悪玉菌の増加につながるため、できる限りの分で調理したものを食べるように心掛けましょう。
肉類:消化しにくい肉類は腸で腐敗便となり悪玉菌を増殖させる原因になります。
肉ばかりではなく、魚も食べるようにしましょう。

デブ菌が増える元になる食べ物を控えることでダイエットにつながるので、毎日の食生活に気を付け、生活習慣も改善するようにしていきましょう。

ヤセ菌が好む食べ物を増やす

デブ菌を増やす食べ物を避けることも大事ですが、ヤセ菌を増やす食べ物を積極的に摂取することも重要です。太らないために効果的な食べ物を見ていきたいと思います。

効果的な食べ物1:納豆

ヤセ菌を増やす食べ物で効果が期待できるものに納豆が挙げられます。納豆菌はとても強力で生きたまま腸に届くため、腸内フローラを善玉菌が活動しやすい環境に変えてくれます。納豆の他にも味噌やぬか漬けなどの発酵食品は善玉菌を活発にしてくれるのでおすすめです。

効果的な食べ物2:ヨーグルト

納豆の次にヨーグルトもヤセ菌を増やす手伝いをしてくれます。乳酸菌が腸内で善玉菌に作用し、腸内環境を整えてくれます。腸内細菌学でデブ菌の研究をしておられる辨野先生は、1週間位はヨーグルトを食べ続けて便の様子を見て、自分に合ったものを見つけるといいと話されていたようです。

3つに分けられる腸内細菌
この細菌たちは、大きく分けて 善玉菌、 悪玉菌、 日和見(ひよりみ)菌 の3つに分類されます。

善玉菌の代表格は、 ビフィズス菌や 乳酸菌。
腸内環境を整えたり、免疫に働いたり、 私たちを健康に導く細菌です。
悪玉菌は、勢力が強くなると 体内に有害物質を産生し、便秘や肌荒れなど起こしてしまいます。
善玉菌と悪玉菌は常に勢力争いをしていて、どちらが優勢になるかで、私たちの健康状態が決まります。

そして、忘れてはいけないのが、この 日和見(ひよりみ)菌
その名の通り、 善玉菌と悪玉菌の勢力争いの中で、有利な方に味方をする菌です。

この日和見菌の中でも、 善玉菌に味方しやすい菌が ヤセ菌です。
食べ物から必要以上にエネルギーを取り込まず、 筋肉に作用して脂肪を燃焼してくれます。
反対に、 悪玉菌に味方しやすい菌が デブ菌。
排出しなければならない 余分な老廃物を溜め込んでしまう菌です!

痩せにくく、太りやすい体の原因は、このデブ菌が腸内で増えすぎているからなのです。

アメリカの研究で、マウスをグループ分けして、一方はデブ菌をたくさん持っている人の腸内細菌を、 もう一方にはヤセ菌をたくさん持った人の腸内細菌を移植した結果、 デブ菌の腸内細菌を移植されたマウスはどんどん太ってしまったそうです。

私たちが持っている腸内細菌は、人によって種類も数もさまざま。
痩せにくい方は, もともと持っている腸内細菌の中にデブ菌が多いのかも・・・
でもご安心を!菌のバランスは良い生活習慣で改善することができます!

理想的なバランスは デブ菌4:ヤセ菌6 だがこのバランスが崩れデブ菌が増えれば太ってくることが分かっています。

デブ菌は単に肥満を招くだけでなく、便秘や停滞腸、むくみ腸など体に悪影響を与えます。できるだけデブ菌を減らしたいもの。その為に最強の食材は納豆だそう。納豆に含まれる植物性乳酸菌の納豆菌は生命力が強く、16時間で40億倍に増えるのです。この驚異的な繁殖力がデブ菌を減らし、腸内フローラを育て、善玉菌優勢の腸内環境を作りだす力になるのです。

効果的な食べ物3:もち麦

もち麦は、善玉菌を増やす効果のある水溶性の食物繊維で、その中でも効果的な食物と言われています。水溶性食物繊維は炭水化物の吸収を助け、腸内の老廃物を排出してくれる働きがあります。余分なエネルギーが体内に残らず排出されるので、太らずヤセ菌が育つ環境にしてくれます。

効果的な食べ物3:野菜

酵素はデブ菌の増加の元となる糖分を分解する働きがありますが、熱に弱い性質があります。そのため、野菜などの加熱しない状態で食べる食物繊維はデブ菌を減らすのに効果的です。炭水化物などより野菜を先に食べるように心掛けると、より効果が得られやすいと言われています。

<健康・美容関連の参考ホームページ>

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