パニックとは、何か生命に危険が迫ったときに陥る状態のことを言います。
パニックになると、心臓がバクバクしたり、血の気がひいて物事を冷静に考えられなくあったりしてしまいます。パニックになると、大声で叫びだしたいような気分になることもあり、嘔吐してり、じっとしていられなくなりやみくもに走り出したりします。
これらの行動は、時として災害や的から逃れるために有利にはたらくことがあり、人間本来の体に備わった生き延びるためのプログラムといってもいいかもしれません。
パニックとパニック障害
パニックは、生命の危機が迫ったときなどに起こす、生き延びるためのプログラムによる反応や行動ですが、時として、別に生命の危機がないのにもかかわらず、まるで生命の危機に遭遇したかのような不安屋恐怖を感じて、体にパニック状態で見られるような症状を起こす人がいます。これがいわゆるパニック障害、パニック発作と言われるものです。
珍しくないパニック障害、起こしやすい人とは
パニック障害ってあまり聞き慣れないな、私には関係ないやと思うかもしれませんが、一生の間にパニック障害になる人は100人に1~2人と言われていて、決して珍しい病気ではないのです。
つまりわかりやすく感覚的に言うと、新幹線普通車の車両に乗ったらその中に少なくとも1人か2人は一生の間に一度はパニック障害を経験するかもしれない人がいるという計算になります。
パニック障害を起こしやすい人は、男性よりも女性、年配者より若年者と言われていて、親・兄弟等がパニック障害の人もパニック障害を起こしやすいとされていますが、誰にでも起こりうる可能性がある病気なのです。
安心してください、パニック発作で死ぬことはありません。
パニック障害は、激しい動悸や息切れなどで、死ぬのではないかと思う人もいますが、発作が治まってから検査するとどこも悪いところがみつかりません。
しかし他に悪いところがないといわれても、生命の危機に直面したような発作が何度も起きれば、不安になるのも無理はありません。
今度パニック障害の発作が起これば、それが原因で死んでしまうんじゃないだろうかと心配になるのも無理はありません。
でも安心してください。パニック障害の発作で死ぬことはありません。
狼少年と思われるのがつらい! 周りの理解も大切
パニック障害はときどき繰り返す人もいます。
心臓が激しくドキドキしてきて胸苦しさや息苦しさが襲ってきて、死ぬのではないかと思うくらいであわてて救急車を呼んでみたものの、病院についたころには発作が治まっていて、検査でもどこも異常はない。
しかもまたいつどこで起こるかわからず、人によってはパニック発作を何度も繰り返したりします。
そのうちはじめは心配していた家族や友人・職場の人たちも、検査結果でどこにも異常がないとわかると、次第に「気のせいなのに大騒ぎをして、またか」といったような顔をするようになったりします。
そうなると本人はまるで自分がオオカミ少年になったかのように思い、恐縮してしまいます。
これは本人にとってはつらいことです。本当はとても痛くて苦しくて不安なのに、誰からも理解されないことはつらいことです。周りの人のパニック障害に対する理解というものも大切なのです。