太っている人は、歯周病になりやすい | 健康トピックス

歯周病は、歯を支えている歯茎、歯根膜、歯根骨からなる歯周組織が、口腔内の歯周病菌によって炎症を起こしたり、ひどい場合は歯が抜けてしまったりするものです。

厚生労働省の患者調査によると、調査日において継続的に歯周病の医療を受けている人は、日本全国で約270万人いて、成人の実に約8割の人が歯周病に罹患していると言われています。

歯周病の病状

歯周病は、歯と歯茎の間にある歯周ポケットに、歯垢や歯石がたまり歯周病菌におって炎症を起こすものですが、この歯と歯茎の歯周ポケットは、歯周病に罹患していない健常者では、0.5~1mmになっています。

歯周病が進むと、歯周ポケットは3~4mmを超えてきて、歯茎が後退することで歯が伸びたように見えたりすることもあります。

太っていると歯周病になりやすい

歯周病のリスクファクターとしては、喫煙・加齢・糖尿病などが知られています。
しかし、肥満も歯周病のリスクファクターとしていろいろと研究がされています。

特に21世紀に入ってからは、歯周病と肥満との関係を示す論文が多く発表されています。

糖尿病が歯周病の大きなリスクファクターであり、歯周病は糖尿病の第6の合併症などとも言われていますが、肥満の人は糖尿病の割合が高く、そうした背景も肥満と歯周病の関係に影響を及ぼしているのではないかということも言われています。

最近になって歯周病と他の疾患との関係がいろいろと研究されてきています。

歯周病になるリスクが高まるファクターとして、肥満が上げられます。太っている人の方が歯周病になりやすいというわけです。

ある調査によると、肥満の人は、普通の体重の人に比べて約1.5倍歯周病にかかりやすいという結果もでています。

なぜ太っていると歯周病になりやすいのか

なぜ太っていると歯周病になりやすいのかというと、肥満の人は内臓脂肪が多く、内臓脂肪にはTNF-αという生理活性物質が多くあります。

このTNF-αという生理活性物質は、免疫細胞であるマクロファージからも分泌されていて、炎症を活発化させる働きがあります。

つまり肥満の人は炎症を起こしやすく、歯周病などの感染症においてより炎症が悪化しやすいということがいわれています。

また歯周病菌から出た毒素が脂肪細胞や肝臓からTNF-αを産生させることが言われています。

このため太っていると歯周病を悪化させやすいことから、肥満の人に歯周病が多いのではないかと推測されています。

歯周病が肥満をつくるのか

一方、興味深いフランスの論文があります。

歯周病菌の多くは、グラム陰性菌なのですが、グラム陰性菌はその周囲に付着している内毒素を構成するLPS(リポ多糖:リポポリサッカライド)があり、これが炎症の元になります。

このグラム陰性菌からのLPSをマウスの皮下に埋め込むと、肝臓や脂肪組織に脂肪の沈着ができて体重が増加したという結果が得られました。

すぐに人間にこの結果を当てはめられるということではありませんが、LPSによる脂肪沈着が起きたということは、興味深いマウスの実験という評価はくだせるでしょう。