オクラというとネバネバですが、このネバネバが健康に良いという話はよく効きます。
それでは、なぜオクラのネバネバが健康に良いのでしょうか。
オクラの賢い選び方と保存法
オクラの健康に対する働きの前に、八百屋やスーパーで良品のオクラを選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。
オクラの旬の時期は、7~9月ですが、オクラの選び方は緑色が濃くて鮮やかなものが新鮮なものです。
大きいものを選ぶ人がいますが、育ちすぎて大きくなりすぎると、味が落ちるので大きすぎないものを選ぶのもポイントです。
オクラは低温に弱い食材ですので、保存する際は冷やし過ぎないことがポイントです。ポリ袋に入れたり、新聞紙に包んだりしてから冷蔵庫の野菜室で保存すると良いでしょう。
オクラの多く含まれる成分
緑黄色野菜のオクラには、β-カロテンが多く含まれていて、それ以外にも食物繊維が豊富に含まれています。
したがってオクラは胃腸を整えて便通を促す食材として有用です。オクラの可食部100g当たりには、食物繊維が5gと多く存在し、β-カロテンも670μg含有されています。
その他にもビタミンCやビタミンB1といったビタミン類も含まれています。
オクラのネバネバ成分は
オクラは切るとネバネバしていますが、このネバネバの正体は、ペクチンとムチン、ガラクタン及びアラバンなどの多糖類(水溶性食物繊維)という成分です。
ペクチンは食物繊維の一種で、腸の働きを整え、便秘を改善する効果があります。また血糖値の上昇を抑える働きもあるため、食後の高血糖を抑える働きがあり、糖尿病の予防にもつながります。
ムチンは、糖タンパク質と呼ばれるもので、糖質にまとわりついて糖の吸収を遅らせる働きがあり、またタンパク質の吸収を助ける働きもあります。
オクラは下痢の時に食べるな
食べるなというほど危険なものではありませんが、オクラは食物繊維が豊富に含まれているので、下痢をしているときに食べると症状が悪化する可能性があります。
オクラのネバネバレシピ
オクラと言えば、ネバネバですが、オクラ以外にネバネバの食材というと、まっさきに思い浮かぶのは納豆ではないでしょうか。実はオクラはこの納豆と非常に相性がいいのです。
オクラを下ゆでしてから刻み、納豆にあえると、Wネバネバの一品料理ができあがります。
オクラと納豆の便通効果による相乗効果が期待できます。
オクラは、この他に、下ゆでして細かく刻んだものに、はちみつやレモン汁も混ぜてバニラアイスクリームにかけて食べると、ネバネバして美味しいアイスクリームができあがります。
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訂正
本記事で、「ムチン」という表現をしておりましたが、2018年1月1日現在、植物においてムチンは確認されていないというご指摘を受けました。
《参考資料》
http://acsec.jp/maffgo.html
現在、インターネットを中心に、野菜に含まれるネバネバを”ムチン”と呼ぶ情報が誤りであったことが判明し、訂正削除が始まっております。 (国の機関、全国の都道府県庁、自治体でも対応が進められております。)
とのことです。
《指摘根拠論文》
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/65/5/65_228/_pdf
http://www.riken.jp/pr/press/2009/20090415_2/#ch
従いまして、記事中の次の箇所を訂正いたしました。
ムチン ⇒ ガラクタン及びアラバンなどの多糖類(水溶性食物繊維)
《参考》
その独特な食味は粘質物質であるペクチン、ガラクタンおよびアラバンの混合物である多糖類(水溶性食物繊維)に由来している。
(第1報) オクラさく果の鮮度保持について : 食品と低温 12(3),p81-86, 1986 :オクラさく果の食品物性と化学成分に及ぼす貯蔵温度の影響
食品材料学(4版)(医師訳出版),p239, 1980
Mucin Structure and Function: Insights from Molecular Biology
オクラについては、こんな文献もあります。
https://www.kitasato-u.ac.jp/sci/univ/chemistry/news/n20190125.html