ネアンデルタール人の骨の化石は、人類であるホモ・サピエンスに似ていますが、よく見てみると、ネアンデルタール人は、目の上が張り出し、額が出ていて、胸郭が短くて深く幅広くなっていて、眼窩も大きくなっています。
また、脳の大きさは、ほぼホモ・サピエンスと同じであるが、前後に伸びていたと考えられています。
このネアンデルタール人は、ユーラシア大陸に暮らしていたと言われています。
ヒトの中にはネアンデルタール人の血が流れている
ネアンデルタール人は50万年前に人類と分岐した後に、別の種となり、3萬年前に絶滅したと言われていましたが、ネアンデルタール人の骨からゲノム解析を行ったところ、絶滅の直前にヒトと交雑した形跡がわかり、人類の遺伝子の1%以上が、ネアンデルタール人に由来しています。
しかも、ネアンデルタール人のミトコンドリアには、ヒトとの交雑の証拠がありません。
つまり、ミトコンドリアは母系遺伝しますので、交雑は、ネアンデルタール人の男とヒトの女の間であったと推測されています。
ネアンデルタール人は主に、移動しながら小さな集団で暮らし、槍などの道具でマンモス等の巨大動物を狩猟し肉食中心の生活をしていたが、植物も食べていたようです。
ネアンデルタール人は、体が大きく、筋骨隆々で体毛も濃く、言葉を持たないことから、人類というよりも、巨大な野獣に近いイメージがあります。
それでは、ネアンデルタール人の知能はどうだったのかというと、武器や狩猟道具を作り、家庭でもいろいろな道具を使っていて、木工も日常的に行っていたそうです。
穴を掘るために棒を切ったり削ったりもしていました。
さらには、動物の皮を加工し衣服を作っていたのではないかとも言われています。
アフリカの黒人こそ純血だった
調べていくと、数万年前、現代人の祖先の一部が、アフリカ大陸を離れてヨーロッパ大陸に渡りましたが、そこにはすでにネアンデルタール人が住んでいて、そこで交流があり、それが白人・黄色種に変化していったので、アフリカ黒人こそが純血であるということになります。
人種差別の問題
白人や黄色種のほうが、ネアンデルタール人と交雑したもので、アフリカ黒人こそ純血であったということを知り、「我々白人のほうが混血雑種だったと知ってショックでした。」をもらしていたそうですが、白人であることの優越感がこの発言の根底にあったのかもしれないと池谷裕二氏は述べています。
とある研究では、非黒人の人は、黒人が不当に差別されているおとを心理的に嫌がっていて、もし黒人差別のシーンに直面したらひどく動揺するだろうと考えているようですが、実際に測定し、黒人が差別されたり不利益を被る場面に遭遇しても、自己評価するほど動揺しなかったという結果がでています。
頭で想像している理想的な自分と、現実の自分の行動には乖離があり、自分の正義感を過大評価していることに気づいていないため、人種差別がなかなかなくならないのかもしれません。