部下を育てるというと、いちいち細かい仕事のやり方などを手取り足取り教えると考える人もいると思いますが、それよりも以下に部下にやる気を持たせるかということが重要になってくるのだと思います。
やる気は大切
社会人であれば、仕事に必要な専門知識や技能は、自分で勉強して身につけていくのが基本になります。
体で覚えなければいけないことは、いろいろと教えてもらう必要がありますし、道具のありかなども最初のうちは教えてもらわなければ当然わかりません。
しかし中には、自分で本やネットなどで調べて勉強できるものまで、丁寧に教える人がいます。
もちろん、人から直接教わった方が、ポイントが押さえなれていて、無駄な時間を使わずに、最短距離で必要な技能を身につけることができるというのも事実です。
しかし、ある程度の技能を持ってからは、逆にすでにわかっていることをこと細かに指導してくる人もいます。
こうなると、部下も煙ったいと思っているかもしれません。
ある程度技術が身についてきたら、技能や知識を教えるというよりも、いかにその部下のやる気を引き出してやるかということが重要になってきます。
2つの動機
人が何かを始める場合、およそ二通りの動機があると言われています。
それは、「主体的動機」と「受動的動機」です。
「主体的動機」の場合は、自分自身が率先して取り組んでいくので、比較的集中状態を生み出すことができます。
主体的動機の良い例が、趣味です。
趣味は、自分が主体的に興味を持ち、それをもっと知りたい、勉強してみたいという動機のもとに行うので、面白くそれに熱中し、時間があっという間に過ぎ去っていきます。
一方、「受動的動機」の場合は、そうはいきません。
受動的動機の例が、人から依頼されたり、指示を受けたりして取り組む仕事で、そうした場合は、面白いというより義務感でいっぱいになってしまいます。
人間は、義務感でいろいろなものを行うと、効率が落ちたり、ミスを連発したりして時間をロスしてしまいます。
親や先生から言われ、嫌々勉強しても、なかなか覚えられないというのも、それは受動的動機によって勉強しているからです。
そうはいっても、たいていのことは受動的動機なのでは
そんなこと言ったって、自分が趣味でやってるの以外のものは、世の中たいていが受動的動機によりやらされているんじゃないかという人がいます。
確かに、受験勉強にしても、仕事のノルマにしても、受動的動機によって行うことになります。
しかし大切なのは、それがたとえ「受動的動機」に基づく行為であっても、それを「はい、喜んで」という気持ちで取り組めば良いのです。
なぜならば、人間の脳は、それが自分にとって本当にうれしいことなのか、喜ばしいことなのかがわからないことであっても、「やりたい」と思うことで、「快」だと理解し働き始めるからです。
脳のスイツチを入れるためにも、頼まれたことをするときは「しょうがないな」と言って受けるより、「やらせてください」と受けるようにすることで集中力が高まるものなのです。