数学が苦手なのは遺伝? | 賢脳トピックス

数学嫌い、数字を見るだけで吐き気がしてくるといった人もいるかもしれません。

一言に数学が苦手といっても、単純な能力で決まるわけではありません。

役に立つ数学

学生時代には、いろいろな科目を学校で習いますが、学校で勉強したことは、社会に出てそんなに役に立っていないといわれることがよくあります。

知識は役に立たなくても、勉強をする方法を学んだり、我慢して勉強する忍耐力を養う意義があるんだなんていう人もいます。

いろいろ意見があると思いますが、英語と国語の漢字、数学の計算に関しては、日常生活でも役に立っているはずです。

数学の得手不得手

学生の時、数学が苦手だったという人は、数学は積み重ねの科目で、前に習ったことがわからないと、その先なかなか理解が難しくなってしまうという特性がある上に、一生懸命問題を解こうとしてもうまく解けずに挫折して、どうせやってもできないやと無力感を起こしやすいことが原因しているかもしれません。

こうなると、できるはずの問題もできなくなってしまうという、まさに負のスパイラルにはいってしまい、なおさら数学が苦手になって嫌いになってしまうのです。

数学といっても、単なる計算問題、計算が速くできればいいという問題ではなく、図形問題を解いていくセンス、公式の暗記とその応用力複雑な問題文を論理的に理解する読解力など、いろいろな能力を要求されます。

従って、数学が苦手だとか、得意だとかいうのも、いろいろな能力の総合力であり、遺伝子が関係していても、それは1つの遺伝子ではなく、さまざまな複数の遺伝子が関連していることが容易に想像できます。

数学の遺伝子

数学は複雑でいろいろな能力を要する科目で、得手不得手を1つの遺伝子が支配するといったことはないのですが、中国では面白い研究が行われているのでご紹介します。

中国の深?市神経科学研究院では、中国人研究参加者1,622人(健康な7歳から13歳の中国人)の数学のテストのスコアとそれに関連する遺伝子の探索をゲノムワイド解析を使って行っています。

その結果、SPOCK1と呼ばれる遺伝子上に存在する数個の遺伝子多型(SNPs)に、数学の試験との間に相関関係があることがわかりました。

それによると、SPOCK1遺伝子rs11743006というSNPに「A」を持つ人は、「C」を持つ人よりも、数学が苦手な傾向にあるらしいのです。

つまり、CCの遺伝型の人は数学が得意、ACの遺伝型の人は数学がやや苦手、AAの遺伝型の人は数学が苦手ということがわかりました。

もちろん、遺伝子だけではすべてが決められるものではありませんが、一つの遺伝子研究としてこういった結果が出ているというのも面白いところです。

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