勉強部屋のカーテンを赤色にすると効率が下がるということが言われますが、本当なのでしょうか。
勉強部屋の赤いカーテンの真相
米国ニューヨーク州にあるロチェスター大学エリオット博士が行った興味ある実験が行われています。
IQテストを行った際に、中身は同じで表紙の色だけが違う問題を用意します。
そしてそのテストで「やさしい問題」と「むずかしい問題」を用意しておいて選んでもらいます。
用意された表紙の色は、赤・白・緑なのですが、表紙が赤色のグループは、表紙が白色・緑色のグループよりも「やさしい問題」を選ぶ確率が高かったという結果がでています。
赤色は、相手を無意識のうちに威嚇し、優位に立ちやすい状況を作るのではないかと言われています。
つまり、赤色をみると相手から威嚇されたような感じになり、精神的にひるんでしまう可能性があるのです。
勉強部屋のカーテンの色は赤色厳禁というようなことは、ある程度そういった傾向があるのかもしれません。
ただし、ノートや教科書で重要事項を記憶する場合は、赤字にしたり赤線を引くと思います。
このような場合は、むしろ赤のほうが成績は向上するようです。
赤色は、心理的に回避的傾向を生み警戒心を強めます。
したがって、極度な集中力が要求される場合や、特にここは覚えたりという場合には赤色でのマーキングや印がいいのです。
色で変わるIQの成績
エリオット博士は次のような実験をしています。
IQテストの問題の表紙だけを白・赤・緑と違う色を使う。
アナグラム試験(文字を並び替えて意味のある単語を作る)の問題用紙の右上端のコーナー部分のマーカーの色を黒・赤・緑と違う色にする。
もちろん、問題の中身は一緒で行ったのですが、成績に明かな違いが出たのです。
赤色は士気があがり集中できるというイメージがあるので、赤色だと成績が上がったのではないかと思う人もいるかと思います。
しかし、結果は驚くべきことに全く逆の結果となったのです。
赤色の時だけ点数が平均で20%も低下してしまいました。
白・緑・黒といった他の色では、そういう違いはなかったのです。
この現象について、赤色や黄色といった長波長の光は、幸福感と関連し、充足感が得られてしまい、学習欲が低下してしまったのではないかという推察がなされています。
モチベーションアップには赤
赤色には、モチベーションをアップするという効果があります。
さらに赤色は、購買意欲を高める働きがあり、ビジネスにおいては販売色カラーとも言われています。
これは、赤色をみることでアドレナリンの分泌が促され、注意・集中力が高まり、脳が臨戦態勢に入り、購買意欲がそそられるからだと言われています。