受験は同じ偏差値だからという単純な問題ではない | 賢脳トピックス

よく学生の能力の指標、受験で合格する確率の指標ともされる『偏差値』とはそもそもどういったものなのでしょうか。

偏差値とは

偏差値とは、簡単に言うと、試験でみんなの得点がどの程度バラついているかを踏まえて自分の位置づけを測るものになります。

つまり、平均点との差に、点数のバラつきを考慮したものになります。

そして、試験の点数を正規分布図に当てはめて算出します。

偏差値には、68%・95%ルールというものがあります。

偏差値30~70の間に約95%の人が分布し、偏差値40~60の間に約68%の人が分布するのです。

偏差値の目安としては、次のようになります。
偏差値80:上位0.13%
偏差値75:上位0.62%
偏差値70:上位2.28%
偏差値65:上位6.68%
偏差値60:上位15.87%
偏差値55:上位30.85%
偏差値50:上位50%

偏差値は、成績を比較したり、成果を実感したり、学習のモチベーションにつながったりします。

同じ偏差値でも全然違う

予備校や進学塾の模試があったとして、偏差値65のA君がいたとします。

そこでA君は偏差値70の大学と偏差値60の大学を受験したところ、偏差値70の大学に受かったものの、偏差値60の大学に落ちてしまいました。

別の例として、偏差値65のB君とCさんがいて、それぞれ偏差値65の大学Dと大学Eを受験した結果、B君は大学Dに合格したものの大学Eに落ち、Cさんは逆に大学Dには落ちたけれど大学Eには合格しました。

もちろん、受験は時の運という部分もありますし、そのときの精神状態、あがっていたなどということも考えられますが、あまり偏差値ばかりを気にしていると、思わぬ落とし穴がある可能性があるのです。

大学には、それぞれ問題の出題傾向があります。その出題傾向にあった模試試験の結果での偏差値であれば、かなり合格確率というのはパラレルになってくるかもしれませんが、そうでない場合は、偏差値が低い学生が合格し、偏差値が高かった学生が落ちてしまうということも十分にありうるのです。

試験問題の傾向を考えないとダメ

例えば、「歴史の問題で、室町時代前期と後期の政治体制が地方文化に及ぼした影響を述べなさい」という、それぞれの時代の政治・経済・文化などを横のつながり、歴史的な縦の時系列な繋がりを理解していないと解けない問題を出す大学Aがあるとします。

一方で、そういった問題は出ないものの、やたら歴史上の細かい人物の名前を問うたり、年号を問うたりする知識量を問う問題を出す大学Bがあるとします。

もし、模試試験の問題が大学Bに近い形の問題であれば、それは大学Bの合格確率の参考にはなるものの、大学Aの合格確率の参考にはあまりなりません。

なぜなら、同じ歴史でも求められる知識や勉強法が全く違ってくるからです。
大学Aを受験するのであれば、一生懸命人物の名前や年号を覚えても意味ないということになります。

一般的な偏差値上では、同じ偏差値65が合格ラインであったとしても、そこで求められる能力が違ってくるのです。

だからこそ大学受験においては、受験する大学の傾向に合わせた傾向と対策というものが非常に重要になってくるわけです。

最新情報をチェックしよう!