学校で英語を習うとき、英単語とともに発音記号を習い、それぞれの発音記号で発音の練習をしたりします。
そして、1つ1つの単語を発音記号とともに発音したりして英単語を覚えていきます。
ところが、これがかえって、英語のリスニングという点において邪魔になってしまったりもするのです。
外国人は発音記号のように発音してくれない
英語には、発音において強形と弱形の2つの発音の仕方をもった単語があります。
学校では強形で習ったのに、実際には弱形で発音される
そして強調したい単語と、そうでもない単語があり、あまり強調したくない単語は弱形で発音されます。
そして、学校の授業で普通に教えるのは、弱形じゃなくて強形の発音です。
単語が弱形になる場合の特徴的な傾向としては、 /a/、/a/、/?/ が軒並み /?/ に変わる、および、語尾を伸ばさない、といった点などがあります。
しかも、英語の場合、この強形と弱形の2つの発音の仕方をもった単語は、人称代名詞であったり、be動詞であったり、助動詞や前置詞、接続詞という、いわばしょっちゅう英文中にでてくる基本的な単語で、短いものばかりなのです。
たとえば、himを例にとってみると
him
強形:/him/
弱形:/?m/
このようになっています。
himの発音は、普通学校では、強形で、He His Him というように、習います。
しかし、弱形ではあえてカタカナで表記すると「ヒム」ではなく「イム」になっているのです。
学校では、「ヒム」と習っているのに、「イム」と発音されてしまうと、もうそこで「him」とはわからなくなってしまうのです。
文章になるとなおさらわかりにくくなってしまう
What time is it now ? を「掘った芋、いじるな」と覚え、実際に「掘った芋、いじるな」といったら、外国人に通じたなんていう話もあります。
ビートルズの Let it beも、レリビーと聞こえます。
英語の発音に慣れてないと、とても、レリビーと発音して、Let it be とはなりにくものです。
ここに英語のリスニングの難しさがあるのです。
英語の場合、人によっては、
「とりあえず、ならった発音記号は忘れて、聞こえた音をそのまま捉えることが大事」という人さえいます。
たしかに、Let it beを発音記号で覚えても、なかなか難しいし、ましてやカタカナで「レット イット ビー」なんてやっていると、全然「レリビー」と聞こえるのを理解することはできません。
そもそも周波数が違う英語と日本語
日本語は母音が主体の言語で、500Hz~1000Hzが中心になっています。
これに対して英語は子音が主体で2000Hz以上の周波数が多く使用されます。
この周波数のため、特に日本人は子音の一部を聞き分けるのが非常に難しくなっているのです。