外国語を学習するときに、とりあえずまずは単語を覚えるという人、最低限の単語を覚えたら、文法をきっちりと勉強する人など、学習法も人それぞれです。
言語習得には文法は必須
外国語を学ぶときに、子供はどうして母国語を自由に操ることができるのだろうかと疑問に思ったりしたことはないでしょうか。
特に、日本に来たばかりの外国人や、幼児は、とにかく単語を先に覚え、「あなた、くれる、チョコレート、私、食べる チョコレート」みたいな感じで会話が進んだりします。
大抵の場合は、こんな単語の羅列でも、聞き手が親切にその意図をくみ取って聞いてあげれば、だいたい通じてしまうと思います。
しかし、いつまでもこんなことをしていたら、スムーズな会話は成り立ちませんし、微妙なニュアンスを伝えたいときに、間違って伝わってしまったりしますので、やはり文法はとても大切になってきます。
パターン認識をする言語脳
子供のとき母国語を覚えたときのことを思い出すと、いちいち文法などを習っていなくても、きちんと日常生活に必要な文章をある程度正確に話していたのではないでしょうか。
母国語であっても、確かに助詞はこうでというような形で学校で文法は習います。
しかし、学校で文法を習う前にも、きちんと言葉を話していたし、その時はもちろん文法などということは意識せずに話していたと思います。
もう小学校に入学したころには、しっかりと自分の文法的にも完璧な文章を作って話すことがきます。
子供はむやみに単語をインプットしているわけではなく、自分に理解できることがだけをインプットしようとしています。
なぜなれば、子供が耳で聞いたことから言語をマスターするには、聞いたことの趣旨を理解できていなければならないからです。
まだよちよち歩きの幼児の目の前にチョコレートを出して、「チョコ、欲しい?」といえば、その子は明確にその言葉を理解します。
チョコレートそのものや、ボディーランゲージ、その時のやりとりはすべて世界共通の翻訳ツールとも言えます。
そして、「チョコレート」の意味を理解すれば、その後は実際にチョコレートを見なくてもその趣旨を正確に理解できるようになるのです。
聞いているだけではダメ
よく言語は聴いて覚えると言われているので、それじゃと日本語が母国語の幼児に、英語のテレビ番組を見せたからといって、英語がしゃべれるようになるかといえば、答えはノーです。
それは、理解できなければインプットは生まれないからです。
単語にしろ文法にしろ、意図的に誰かから教わるちうのではなく、理解できる日常生活の中での出来事によって、自然と覚えていくものなのです。