扁桃体ハイジャックとは | 賢脳トピックス

扁桃体は、脳の側頭葉の奥にある大脳辺縁系の一部でアーモンド形の神経細胞の集まりで、恐怖、不安、緊張、心配、焦りといった情動反応は、脳の扁桃体という部分が司っています。

それにより、震え、動悸、息切れなどが起きてきたりもします。
扁桃体は、情動反応の処理と記憶において重要な役割を担っているのです。

身の危険を感じた時に大活躍する深い扁桃体

扁桃体は、記憶を司るとされている海馬(かいば)のすぐ近くにあります。そしていろいろな出来事や体験の「快・不快」や「好き・嫌い」の判断をしています。

身の危険を感じると扁桃体への血流が増え、脳内の興奮物質が大量に放出され、それにより強い恐怖や不安を感じるようになります。そしてその場から素早く逃げたり、敵を攻撃したりする動物としての行動が起こるとされています。

普通は、ピンチに遭遇すると、海馬や前頭葉が起きていることを熟考し、先を見通して判断を下します。
しかし、原始人などで目の前に猛獣に出くわした場合、そんなことを熟考していたら食べられてしまいます。
戦うにしても、逃げるにしても、すばやく行動を起こさなければなりません。こんな時に活躍するのが、扁桃体です。

ストレス社会と扁桃体

しかし、現代社会は、すみやかに判断を下さなければならない生死にかかわる状況などめったにないでしょう。
そうすると、扁桃体はそれほど脅威でもないものに向けられ、ちょっとしたことでも感情的な行動にでてしまうことが起こってきます。
これがいわゆる『扁桃体ジャック』と言われるものです。

扁桃体の力が働くと、生死にかかわる判断をするということで扁桃体の力は熟考した考える海馬や前頭葉の働きよりも強力で、先を見通して熟考するよりも、その場の感情で行動を起こしてしまう力のほうが強く働き、抑えられなくなってしまいます。

ストレス社会では、ちょっと上司に叱責された程度で、それをすごい脅威と感じ、扁桃体が働いてしまいがちです。
そんなとき、扁桃体の暴走を止めるのが海馬や前頭葉となります。
いわば、暴走しようとする扁桃体を止めるブレーキです。

運動をすると脳のブレーキペダルが強化される

よく運動をするとストレス解消になるという話がありますが、多少はストレスが解消されるとしても、100%解消というわけにはなかなかいきません。
しかし、運動をしていると、脳のブレーキペダルが働くようになり、扁桃体が暴走しにくくなります。

<参考>
The acute antipanic and anxiolytic activity of aerobic exercise in patients with panic disorder and healthy control subjects
Journal of Psychiatric Research Volume 43, Issue 12, August 2009, Pages 1013-1017

それによって、余計な闘争をして人間関係を悪くするというようなことも少なくなります。

期日までに仕事が終わらず上司から怒られた場合、心拍数が増えたり、血圧が上がったりして、思考が混乱してパニックになってしまうということが、運動をすることで減っていき、うまく対処できるようになるのです。