繰り返し暗唱による記憶 | 賢脳トピックス

繰り返し音読して暗唱をすることを、只管暗唱と言いますが、只管暗唱によって記憶も強化されると言われています。

只管暗唱と虚空蔵求聞持法

日本の素晴らしい記憶力の持ち主としてよく登場するのが、弘法大師こと空海ですが、空海にはいろいろなエピソードが残っています。

その中でも有名なのが、空海はある日突然、超人的な記憶力を手に入れたというものです。
一度見聞きしたものは、二度と忘れないというものすごい記憶力です。

高校や大学受験、資格試験などを目指している人は、自分もそんな記憶力を手に入れたいと思うところですが、空海はどのようにして、そんな記憶力を手に入れたのでしょうか。

その方法とは虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)という方法です。

具体的にどのようなことをしたかというと、「ノウボウ アキャシャ ギャラバヤ オン アリキャ マリ ボリ ソワカ」というお経を百万回唱えるというものです。

本当か嘘かはわかりませんが、この虚空蔵求聞持法を修した行者は、あらゆる経典を記憶し、理解して忘れる事がなくなるそうです。

そして、このとき、ただひたすらお経を繰り返し暗唱すること、それが只管暗唱(しかんあんしょう)になります。

いずれにしろ、気が遠くなる話です。
一日一万回を100日間、または一日二万回を50日間となりますが、一回に2.5秒で暗唱したとすると、一日一万回唱えるのに7時間かかる計算になります。

繰り返し暗唱することで記憶力はアップする

只管暗唱や虚空蔵求聞持法はともかくとして、記憶するときに外から入ってきた情報は、脳の側頭葉で仕分けされ保持され、重要だと思われたものは記憶を司る海馬に送られ生理されます。そして一ヵ月ほどすると側頭葉に返されるのです。

この時に、繰り返しを行うことで、海馬に強く記銘されます。

繰り返せば繰り返すほど、そして高速であればあるほど、海馬にしっかりとした回路ができるのです。

最近、記憶力に関する本などをみていると、学習したことを高速で反復して復習することを推奨しているものもありますが、これはこうしたことからきているのでしょう。

深層脳を使った間脳記憶

記憶は、脳の記憶される場所によって、側頭葉記憶、海馬記憶、間脳記憶に分けることができます。

側頭葉記憶は表層脳に働く記憶、海馬記憶は古い皮質に働く記憶、そして間脳記憶はさらにふかい脳幹に働く記憶で、超記憶を手に入れるためには、間脳記憶を開くことが大切だと言われています。

普段の学習で行われている丸暗記による記憶は、側頭葉記憶になります。

間脳まで情報を送り込むには、丸暗記や理解ではなく、音読や暗唱をひたすら繰り返す方法が良いと言われています。

繰り返し無心で暗唱することにより、耳から入ってくる音は、側頭葉の言語野の働きを弱め、振動音として脳の深層に伝わり間脳記憶の回路を開くのだと言われています。

最新情報をチェックしよう!