最近は、漢字検定みたいなのもあり、テレビのクイズ番組でも、難しい漢字を読ませたり、書かせたりして、東大や京大出身者がその知識を競ったりしています。
テレビのクイズに出る漢字
檸檬(レモン)という文字を書かせてみたり、蜥蜴(トカゲ)や栄螺(サザエ)といった漢字が読めるかどうかのクイズが出題されています。
中には、こんな難しい漢字を知っていたからって、実生活の上でも、仕事の上でも全然役に立たない無駄知識で、知っていたという一時的な優越感を得られるにすぎないというものも結構あります。
まあ、もっともテレビ局としては、最近やたらにクイズ番組というものが多いのですが、あまりお金がかからないで、しかも視聴者もクイズを考えることで参加できるということもあり、最近流行っているのかもしれません。
スタジオに、適当にタレントを集めて、適当な問題を出すだけなので、ロケも必要ないですし、大がかりなセットも必要ありません。
確かに、難しい漢字を書いている人などをみると、すごいなということになりますが、まあ文学者になるとか、小説家になるということでもなければ、あとは教養で知っていたほうが、知らないよりもいいということなのでしょう。
受験にだって漢字の問題は出る
さて、話を漢字の勉強に戻します。
「漢字の勉強は一切しない」というようなことを奨めているのは、『本当に頭がよくなる1分間勉強法』などの著書で知られている石井貴士さんです。
石井さんは、『やってはいけない勉強法』という本の中で、やってはいけない勉強法の1つとして、『漢字の勉強をする』ということをあげています。
ただ、石井さんは、「漢字の勉強は小学校のときまでは大切です。」とも言っています。小学生レベルの漢字がわからなければ、問題文も読めないからです。
しかし、中学生になったら、漢字の勉強をすることは効率が悪いとしています。
これにはいろいろな意見があると思います。
常用漢字
日本では、小学校・中学校の義務教育で、すべての常用漢字2136文字を習うことになっています。
小学校で1006文字、中学校で残りの1130文字を習うことになります。
中学校で習う漢字でも、凹凸であったり、巨人の巨であったり、甘、汗、缶、肝、冠などと結構目にしたり、勉強しなくても目にしていて書ける漢字も結構あります。
もちろん、中学生までの常用漢字は全て勉強すべきですが、こと受験が目的という考え方をするならば、ましてや大学受験のために漢字の勉強をするのはオススメできないというわけです。
大学受験で漢字の勉強がオススメできないわけ
国文科でも目指すのであればともかく、大学入試での漢字の配点はもともと低いので、勉強した割りには点数が稼げないのです。
東大の入試でも漢字問題は3問。そのうち1問は勉強しなくても知っている漢字、1問は勉強していても知らないような漢字、そして残りの1問が勉強していればできるようになっていた漢字。
1問2点だとしすると、漢字を勉強したことによってとれるようになった点数はたった2点。
そうであれば、漢字学習にあてる勉強時間を英語や数学に使ったほうが、点数をとるということからすればよほど効率的だというわけです。
効率を考えるならば、漢字問題は捨てるというわけです。
常識的な漢字を知らなければ、社会人になってから恥をかいたり困ったりするという人がいますが、石井さんは、それは社会人になって恥をかいたり困ったりすればいいし、その中で徐々に覚えていけばいいことと言い切っています。
もっとも、いくらパソコン・ワープロの時代とはいえ、捨てるのではなく、忘れてもいいので、一度は常用漢字はきちんと勉強しておくにこしたことはないとは思うのですが。
まあ、あとは出題されそうな特殊な読み方をする漢字や、受験に出そうな漢字だけにしぼって勉強するやり方もあるかもしれませんね。