英語力の中で必要なものとして、単語力があります。
もちろん中学で習うような基本的な単語すら覚えていなかったり、いきなりわからない専門用語のオンパレードのような英文を読めば、それはその英文はわからない単語だらけになってしまいます。
こんな状態では、まずは英単語を調べ、憶えることからはじめないといけません。
しかし、そこそこの語彙力がついてきたら、知らない英単語をどうとらえるかということを考えても悪くありません。
知らない単語をいちいち辞書で調べるのか
英語の学習という点で言うと、知らない単語がでてきた都度に、しっかりと辞書を調べ、その用法も含めて記憶していくにこしたことはないと思います。
しかし、受験勉強やTOEICテストの勉強をしているとき、意味がわからない単語が出てきたとき、すぐに辞書を調べて、完璧に理解しようとしないほうがいいでしょう。
もちろん後でしっかりと調べることは大切ですが、その場では、辞書を調べずに英文解釈を進めていきます。
なぜならば、試験会場に辞書を持ち込めるわけでもなく、試験本番でわからない単語が出てくることも想定し、わからない単語があっても、それなりに文章の要点を理解できる力をつけておくことも必要だからです。
日本語で考えてもわかる
これは母国語である日本語を読むときのことを考えてもわかると思います。
新聞や雑誌を一字一句丁寧に集中して読んだり、聴いたりしないですし、わからない言葉があっても、すぐ辞書をひかず周りの文脈から推測して、だいたいこんな意味の言葉なんだろうなというようにして読んでいくことが多いと思います。
受験勉強やTOEICテストで必要とされるのは、一言一句きちんと和訳するというのではなく、この英文で大事なことは何かをつかむ能力です。
ざわざわとしている人込みの中で、知人を見つける
私たちは、知人と待ち合わせをしたとき、人込みの中から、知人を見つけることができます。
これは、『選択的注意力』という能力があるからです。
脳には、背外側前頭葉皮質(d-PFC)という部位が、この選択的注意力の能力に関連していて、短時間で要点のみをインプットできるようになっているので、この能力を鍛えることが大切になってきます。
ざわざわしてうるさい電車の中では、車内アナウンスが聞こえてきても、一言一句聞き取れません。
「次の停車駅は〇〇です」という部分など、重要な単語が聞き取れればいいのです。
これは、TOEICのリスニング問題においてもそうです。
TOEICテストは、特に、リスニングにおいてわからない単語がでてきて、どうだったかなと考えているうちに、その後にしゃべっている言葉も聞き逃してしまったりしますし、リーディングでは、一字一句読んでいたら、とてもじゃないけど時間が足りません。
いかにポイントとなる単語を聞き取ったり、肝となる文章をみつけられるかが重要になってきます。
したがって、普段からスピードも意識しながら、わからない単語があってもそのまま聞いたり、読み進めていく能力を鍛えておくことも重要になってくるのです。