短期記憶を長期記憶にしたいという場合は、反復しますが、これには個人差もあり、また同じ個人でも、受けた刺激の強さによっても変わってきます。
例えば、ものすごく印象的な出来事があれば、そのことは別に反復しなくても何年も憶えていますし、ちょっとした英単語などは、すぐ忘れてしまったりします。
人や条件によって違う反復回数
同じものを憶えたとしても、短期記憶から長期記憶へ移行するのに必要な反復回数は、人によって違ってきて個人差があります。
そして同じ個人でも、受けた刺激の強さによって、必要な反復回数は変わってきますので、一概に言うことはできません。
同じ内容のことでも、5回の繰り返しで長期記憶に入る人もいれば、10回必要とする人もいます。
自分の反復回数を知る
例えば見たことも聞いたこともない外国語の単語を10個憶えるとします。
最初は10個中5個しか覚えられなかったとしても、回数をこなせば記憶できる数は増えていきます。
時間をあまりあけずに2回目を行うと、6個~7個と記憶できる単語が増えていきます。
そして何度目かにパーフェクトに10個憶えることができますが、この回数が反復回数になります。
こうすることで、自分はだいたい何回繰り返せば、憶えることができるのかという目安がわかり、学習計画も立てやすくなります。
自分はだいたい、通常は何回繰り返せば短期記憶から長期記憶へもっていけるのかを測定しておくと良いでしょう。
自分の反復回数の測定
実際に、自分の記憶力、短期記憶から長期記憶に入るのに何回の反復が必要なのかの目安を測る方法についてご紹介します。
まずは、全く自分が知らない単語を10個選びます。
知っている単語、見たことがある単語となると、少し結果が変わってきてしまいます。
例えば、どうしても英単語だと、なんとなく1度は見たことがあるという単語も結構あったりしますので、例えば自分が全然なじみがない外国語の単語を10個選んでやってみるのも良いでしょう。
この10個の単語を、まずは1回の書き取りで暗記します。
そして10分後、1時間後、翌日、1週間後に、10個のうち何個憶えていたかをチェックします。
次に別の単語を10個選び、3回、5回、7回の書き取り回数で、それぞれ暗記し、同じように1時間後、翌日、1週間後に、10個のうち何個憶えていたかをチェックします。
こうして何回で記憶に定着したかをチェックします。
こうすることで、自分は覚えるには何回繰り返さないといけないのか、それによって学習にかかる時間はどれくらいなるのかといったことがわかり、学習計画が立てやすくなります。
これは記憶術を使って覚える場合も同様です。
記憶術を使うと確かに忘れにくくはなりますが、忘れないわけではなく、忘れにくくすることで、反復回数を節約しているのです。
よく記憶術を過信し、記憶術を使って覚えたからと全然復習をしないで試験にのぞみ、いざというときに思い出せなかったという経験がある人もいると思いますが、こうして自分の適切な反復回数をチェックすることで、試験前に効率的に復習ができます。