英語では、代名詞が対になって用いられている文がよく出てきます。こうした表現は、対になっている部分をしっかりと見極めることが大切です。
前者は〇〇、後者は◇◇
まずは、対になっている表現で比較的わかりやすいものとして、日本文でもよく使われたりしますが、「前者は〇〇、後者は◇◇」という表現です。
「前者は薬味代わりとなり、後者は甘みが出ます。」という場合は、次のようになります。
The former serves as a condiment, and the latter gives sweetness.
前者、後者という場合は、一般的には『the former ~ , 接続詞 the latter ~ 』という形になり、「the former」と「the latter」が対になっています。
また、前者、後者ということに関して言えば、「the former/the latter」の他に、「the one / the other」「that / this」が用いられることもあります。
2つの対比
2つの対比では、次のような表現になります。
On the one hand, strong yen leads to decline of export. On the other hand, it increases goods import.
(一方で円高は輸出の減少に繋がります。もう一方では、製品の輸入が増えます。)
覚えやすいようにまとめてみると、「一方では~、他方では~」は次のようになります。
『on the one hand ~ on the other hand ~』
「on the one hand」が省略されたり、「on the other」の部分が「hand」と省略されて使われる場合もあるので注意してください。
これ以外にも覚えておくと便利な言い回しをあげてみます。
「AとBは別のこと」 ⇒ 「A is one thing and B is another」
「1つには・・・また一つには~」 ⇒ 「for one thing ・・・,for another ~」
例文をあげるとこんな感じになります。
I want to be an English teacher. For one thing, I like to teach. For another, I want to tell them how fun to learn English is.
私は英語の先生になりたい。一つの理由としては、私は教えることが好きだからだ。もう一つの理由は、英語を学ぶ楽しさを伝えたいことが理由だ。
全体からの選択を示す表現
代名詞では、集合全体から任意の要素を指示するのに、one 、anothre、other などが相互に呼応して使われることがあります。
one は、the other、another、the others などと呼応し、some は、others、the others などと呼応します。
「one ~, the other ~」は、全体が2つのものや人の場合の表現で、「1つは~、もう1つは~」となります。
これと紛らわしいのが、訳文として、「1つは~、もう1つは~」と同じになる「one ~, anothrer ~」です。
どこが違うのかというと、「one ~, anothrer ~」の場合は、全体が3つ以上のものや人の場合の表現になるのです。
A、B、C、D、Eがあって、Aのことを指して1つは~、そしてBのことを指してもう1つは~、C、D、Eについては言及しないといった場合に、「one ~, anothrer ~」の表現となります。
他にも似たような表現がありややこしいので、いくつかの表現を成句として覚えてしまったほうが早いかもしれないのでご紹介します。
「1つは~、もう1つは~、もう1つは~、残りの1つは~」⇒「one ~ ,another ~ ,another ~ ,the other ~」
「1つは~、残り全ては~」⇒「one ~, the others ~」
※残り全ては複数なので、the others と s がついているところに注意
また、最初に指定するものが1つではなく複数の場合は、some が用いられます。
A、B、C、D、Eがあって、A、B、Cのことを指し、残り全ては・・・と言いたいような場合です。
「あるものは~、残りの全ては~」⇒「some ~, the others ~」
A、B、C、D、E、F、G、Hがあって、A、B、Cは~、D、Eは~、F、G、Hについては言及しない場合は、
「あるものは~、あるものは~」⇒「some ~, others ~」 となります。