集中力があるのとないのでは、同じ仕事や勉強をしていても、全然効率が違ってきます。
しっかりと集中して仕事や勉強をすれば、短時間で終わらせることができますが、集中できないといつまでたっても終わりません。
集中力に関係した化学伝達物質
脳には、A10神経というものがあります。
このA10神経は、大脳辺縁系から記憶や知的作業を司る前頭葉に向って伸びています。
A10神経は、私達が何かをやってうまくいったときに、気分よくなりますが、これはA10神経が刺激されてドーパミンが分泌されているからなのです。
そして、この心地よい気分をまた味わいたいために、もっとがんばろうというやる気につながるのです。
前頭葉の前頭前野に分泌されたドーパミンが作用すると、集中力が高まります。
一方、GABAという伝達物質も分泌され、これがドーパミンの働きを抑制してしまうため、ドーパミンの作用は長く続かないのです。
そして、このGABAもまた、β-エンドルフィンという伝達物質によって、抑制されます。
つまり、β-エンドルフィンが分泌されることで、ドーパミンの作用を抑えるGABAが抑制されます。
このβ-エンドルフィンは、楽しいとか気持ちいとか思っているときにでる快楽物質になります。
集中力は15分しか続かないというような人もいますが、自分が好きなゲームや漫画は何時間でも集中していられると思います。
これには、β-エンドルフィンが関係しているのかもしれません。
報酬と癒しが集中の源
楽しいことや気持ちがいいことがあれば、β-エンドルフィンが分泌され、GABAの働きを抑えられ、ドーパミンの作用も抑えられず、やる気と集中が続きます。
楽しい事や気持ちいい事というと、報酬や癒しになります。
「これができたら、ご褒美に」というインセンティブがあれば、人間は頑張れたりします。
またこの喫茶店で勉強するとなんか落ち着いて勉強できるというのは、癒しになります。
こうした工夫をすることにより、集中力をアップすることができます。
目で集中力をアップ
集中力を高める方法として、眼球を用いる方法があります。
眼球の動きをコントロールする場所としては、脳の前頭眼野があります。
ものをしっかりと注意を払ってみようとすると、前頭眼野を中心とした前頭葉が活性化します。
それにより集中力が上がるのです。
勉強でのライン引きの意味
勉強をするときに、参考書やノートにマーカーで線を引く人もいるかと思います。
重要だと思うところにマーカーを引くことで、効率よく勉強をできるという利点があるのですが、それと同時に集中力についても効果があります。
ラインを引くために文章を目で追っていくことになりますが、これが集中力アップにつながるのです。
ここで、内容を暗記したりするのではなく、視線を安定させて眼球を動かすことによって、集中力が上がっていくのです。