バイリンガルというと、子供のころから留学したり、外国で生活をしていて、生まれつき2カ国語を聞いて育つ環境の人がなれるものというイメージがありますが、必ずしもそうではないということがわかってきています。
成人してからも、外国語をしっかり学び、語学力を維持していれば、誰でもバイリンガルになれ、外国語をマスターして維持している期間が長ければ長いほど、特定の部位の発達も高まるのだそうです。
バイリンガルには2種類ある
バイリンガルには2種類あります。
小さいころから2カ国語に触れる環境にいた早期バイリンガルと、子供の時期じゃなくて後になって外国語を学んでその語学力を維持している遅延バイリンガルです。
どのぐらいが境になるかというと、だいたい5歳~7歳になります。
脳の処理が違う2種類のバイリンガル
早期バイリンガルと、遅延バイリンガルでは、外国語の脳での処理の仕方が違っていることがわかってきています。
早期バイリンガルでは、両言語ともブローカー野という部分で処理していますが、遅延バイリンガルでは、外国語はブローカー野から外れた場所で処理しているらしいのです。
脳トレで有名になった東北大学の川島川島隆太教授の研究室で研究する研究者は、面白い研究発表をしています。
日本語と韓国語のバイリンガルの脳は言語処理時に同一の脳活動で処理しているらしいのです。
一方、日本語と英語のバイリンガルの場合は、英語処理に異なる領域が反応しています。
このことから、日本人にとっては英語より韓国語のほうが学習しやすいのかもしれません。
逆にいうと、日本人が言語体系の異なる英語を学習することは、より広い脳領域を成長させることにつながるともいえます。
外国語を学ぶことで地頭が良くなる
ジム・カミンズという心理学者は、2言語共有説というものを唱えていて、1つの言語で学んだ内容は、もう一つの言語と共有されるとしています。
どういうことかというと、表層的な内容は言語毎に異なって処理されていますが、真相面では共有されているということになります。
外国語を学んでいると、思い出す力は向上していくと言われていて、複数のことを同時にこなす能力も向上すると言われています。
またバイリンガルは、集中する力や雑音を無視する力が高いとも言われていて、創造力も豊かであると言われています。
外国語を学ぶことで活性かされる脳
人間の言語中枢は左脳だと言われていますが、その中で前頭葉に文法中枢と文章理解するための中枢があります。
一方、側頭葉から頭頂葉にかけては音韻やアクセントなどに関する中枢と、単語に関する中枢があります。
英語を学習すると、特に文法中枢と文章理解のための中枢の活動が活発化していきます。