社会人でのビジネスにあたり、憶えるべきことを取捨選択することは非常に重要です。
学生のころの受験勉強であれば、将来の自分に必要でないと感じても、とりあえず覚えなければいけないことがたくさんありますが、社会人として知的活動を行っていくにあたり、暗記しておいたほうが良いことは実は限られているのです。
すぐ調べられるものは憶える必要はない
もちろん、仕事に必要な専門知識や、資格試験に出題される内容、自分が営業している商品の最低限必要な知識は覚えなければいけませんが、それ以外で考えると、意外と覚えていることは少ないのかもしれません。
例えば、あなたは取引先に電話をかけるとき、その電話番号を覚えているでしょうか。
またメールをするときに、いちいちそのメールアドレスを覚えているでしょうか。
電話番号にしろ、メールアドレスにしろ、自分とその家族、ごく一部の親友、もしくはよほどビジネスで頻繁にやりとりしている人以外の電話番号やメールアドレスは覚えていないと思います。
ときどき注文する蕎麦屋の出前のメニューと値段をいちいち覚えているでしょうか。
同じものしかいつも注文しないのであれば覚えているかもしれませんが、値段だっていつ変わるかわかりませんし、調べればすぐにわかるものです。
憶える必要もないからです。
電話番号にしろ、メールアドレスにしろ、スマホを見れば登録されていますし、もしメモで記録していれば、それを見れてもいいわけです。
例えば、取引先の山田さんに電話する場合、山田さんのフルネームであったり、山田さんが所属する会社を知っていれば、それをもとにすぐに調べることができるからです。
いざ必要になったときに、すぐに調べることができるもの、自分の手元に参考にできる情報があり常に近くにあるといったようなものは、憶える必要がないのです。
すぐ調べられても憶えるべきものもある
ただし、すぐ調べられても憶えるべきものがあります。それは、いちいち何度も調べていられないことです。
例えば、小学校や中学校で漢字を習ったりしますが、漢字だって辞書を引けばすぐにわかるから覚える必要がないとなってしまうと、漢字を書いたり、文章を読んだりするときに、いちいち辞書を調べたりしないといけなくなります。
こんなことはやってられません。
英文を読むときの英単語もそうで、頻出の英単語ぐらいは覚えていないと、一語一語辞書を引いていかなければならなくなり、とてもスムーズに英文を読めなくなってしまいます。
だから、これは覚えちゃったほうが楽で便利というものがあり、そうしたものは覚えないとダメなのです。
どんなに調べるのが速い人でも、自分の脳内に持っている情報よりは速く調べられません。
膨大な資料もなんとなく
膨大な資料を端から端まで読んで、完璧に理解しようとする人がいます。
できるのであれば、それでも良いのですが、膨大な資料をしっかりと理解しようとすると大変な場合があります。
こんあんときは、なんとなく理解できのです。
何をどの程度暗記して理解しなければいけないのか、そこを見極めることが大切なのです。