記憶の基本は注意から | 賢脳トピックス

出かけようとしたとき、鍵がみつからず家中を探したというようなこと、あるいは鍵でないにしても同じような経験をした人が多いかと思います。

普段から、鍵はここに置くと決めているような人なら問題ないのかもしれませんが、そういう人でもたまたま無造作に、例えば洗面所のところに鍵を置いてしまうこともあるでしょう。

そうしたとき、いつもの所に鍵がないと探し回ることになります。

どうして鍵の場所がわからなくなるのか

どうして鍵の場所がわからなくなるのかということについては、それは鍵を置いた場所を意識していないからです。

鍵を置いたのが無意識だからこそ思い出せないのです。

私たちは、普段から多くの情報を耳から聞き、目から視覚情報として入れています。

しかし、私たち人間は、その中で身の回りにある情報のごく一部にしか意識が向けられていません。

それ以外の多くの情報は、聞き流されたり、目の前を通りすぎているだけにすぎない形になっています。

確かに鍵を置いたとき、その鍵は視界には入っていたのかもしれませんが、別のことに注意が向いていて、鍵には意識的に注意が向けられていなかったのです。

注意を向けられていなかったから覚えていないのです。

注意を向けられていない情報は、短期記憶になりにくく、そうなると当然長期記憶にもなることはありません。

覚えようとする対象に、注意・意識を向けることが記憶の第一歩

目の前に資料があったとして、それに興味をもち、注意を払いその資料をみていると、その内容がある程度頭に入っているということがありますが、別のことを考えながらただボーっと眺めていただけだと、あまり記憶に残っていないということがあるはずです。

参考書やテキストで勉強するときも、憶えようという姿勢で注意を払いながら見ているのと、ただとりあえずぺージを開いているというのでは大きく差がついてしまうのです。

記憶で一番理想的なのは、無意識のうちに自然と覚えていたというパターンです。

これは対象に興味をもち、何度も何度も眺めていると、特に覚えようとしなかったのに、自然と頭に入っていたというもので、門前の小僧習わぬ経を読むというものに似ています。

しかし、受験勉強などで勉強している場合は、特に対象に興味を持っているわけでもなく、憶えようとして意識を向けて注意して読んでいないと、なかなか頭に入ってきません。

受験勉強で、参考書を眺めているうちに自然と頭に入ったという人もいますが、それは何度も何度も眺めていて反復を非常に繰り返した結果です。

限られた時間で憶えようとするならば、その対象に注意を向けることが大切です。

興味あるものは覚えた速いというのも、憶える対象に興味をもち、注意を向けているからなのです。

暗唱したりすると覚えやすくなるのも注意されるから

本を覚えるとき、ただ単に文字を目で追っているだけよりも、暗唱したりすると覚えやすくなります。

これは、暗唱することによって視覚以外にも、聴覚などの刺激も入るためとも言えますが、暗唱することによって否応なしにも、憶える対象に注意がいかざるを得なくなります。

つまり暗唱することで覚える対象に意識的に注意が向けられるということも、関係しているのではないかと思われます。

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