記憶の3ステップ | 賢脳トピックス

人間の脳は、物事を覚える時に、3つのステップが行われています。

実は、これは人間の脳だけでなく、オーディオレコーダーにしても、コンピューターにしても同じしくみになっています。

記銘・保持・想起

人間が物事を記憶するときの3ステップが、『記銘・保持・想起』になります。

まずは、第一段階の『記銘』ですが、これは符号化に当たります。

記銘の「銘」という感じは、「記」という感じと同様に「しるす」という意味を持った感じです。

「しるす」といっても、「肝に銘じる」という言葉があると思いますが、まさに心に刻みつけるという意味あいがあります。

「感銘を受ける」というのも、まさに心に刻まれるほどの感動を受けたときに使われます。

つまり『記銘』とは、いろいろな情報を記憶として深く取り込むことで、一般に言う「覚える」と同じ意味になります。

次に、第二段階の『保持』ですが、これは読んで字のごとく言うまでもありませんが、貯蔵に当たります。

つまり、第一段階として記銘された情報が、一定期間保たれることになります。

最後の段階の『想起』ですが、これは検索に当たります。

平たく言えば、思い出すことに当たります。

つまり、保持された情報が、一定時間後に外に現れることです。

受験勉強にしても、資格試験にしても、いろいろなことを覚えていくわけですが、いずれにせよ、憶えて思い出すには、この3ステップを経る必要があり、「記銘・保持・想起」の3ステップのうち、1つでもうまく機能しないと、情報を思い出せないということになります。

機械も同じ3ステップ

機械においても、記憶というと、オーディオレコーダーだったり、コンピューターのメモリだったりしますが、これらの記憶も人間と同じように3ステップを経て記憶されます。

オーディオレコーダーは音声を、コンピューターは文字を符号・記号と言う形でその情報を内部に取り込みます。

これが人間の記憶の『記銘』にあたる第一段階になります。

こうしてしるされた情報は、テープなり、ICなり、メモリーカードなどの上で保持されます。

そして最終的に、情報を取り出したいとき、オーディオレコーダーであれば、記憶した音を聞きたいとき、コンピューターであれば保存したファイルを開いて文字なり画像なりを表示したいとき、音を再生したり、ファイルを開いて中身を閲覧したりすることができますが、これが想起に該当します。

このように、人間も機械も同じように3ステップの段階を踏んで記憶を行っています。

記憶は想起までできて意味がある

「記銘・保持・想起」の3ステップのうち、1つでもうまく機能しないと、情報を思い出せないということになります。

受験勉強にしても、資格試験にしても、憶えること、つまり記銘に注目がいきがちですが、なぜ勉強をするのでしょうか。

それは必要なときに、しっかりと思い出せるようにするためで、それが本来の勉強の目的です。

そうなると、最終段階の想起が重要になってきます。

しかし、憶えること、記銘ばかりに注意がいって、復習や反復学習をおろそかにしていると、肝心なときに想起できなくなり、いざというときに思い出せなくなってしまうのです。

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