いじめは、人の攻撃性を高める | 薬剤師トピックス

いじめを受け、疎外感があると人間は攻撃的になると言われています。

なぜ「いじめ」をするのか

まず、いじめの対象ですが、いじめる側の人間は、自分よりも強いものは決していじめません。

反撃されて自分が痛いめに会う可能性がある相手は、いじめないのです。

たとえば、アリの通り道に土をもって通せんぼしたり、水を流したりして、アリをいじめたことがある人もいると思います。

近くには、わんぱく大将も、猛犬も、カラスもいるのに、なぜいじめる対象にアリを選んだのでしょうか。

それは、反撃される心配がほとんどないからです。

それじゃ、なぜアリをいじめたのか? 別にアリが悪いことをしたわけではなく、ただ楽しいからだと思います。

なぜいじめるのかとなると、そのほとんどが、楽しいから、ストレス発散になるからで、なぜその対象を選んだかと言えば、反撃されないからというケースがほとんどではないでしょうか。

いじめは、いじめられるほうが悪いのか

確かに、いじめられる側の人が、とんでもない常識知らずで、いつも周りに迷惑をかけたりしているような場合、周りからつまはじきにされるというケースはあると思います。

こういうケースでは、いじめられる方にも問題があります。周りからも敬遠されるでしょう。

周りに迷惑をかけていなくても、社会に出ると、出世など利害関係がからんで、自分の派閥以外の人間をいじめて蹴落とすためにいじめるという場合もあるでしょう。

この場合は、単にライバルの派閥にいていじめやすかったから、いじめれたということであれば、いじめられた側は全く非がありません。

デブだからとか、しゃべり方がキモいからとか、根暗だからとか、つきあいが悪いからといっていじめられることもあると思います。

もっともこういった理由でいじめるのは、ただ単に自分が気に食わないだけだと周りからいじめている方の人格が問われてしまいますので、適当な理由付けをしているにすぎません。

デブなら必ずいじめているわけでもないでしょうし、根暗だから必ずしもいじめてるわけでもないわけですから。

あとは、同調圧力だったり、一緒にいじめなくちゃ自分がいじめられてしまうといったことでいじめをする人もいると思います。

もちろん、この場合も、いじめられている方には、何の落ち度もないわけです。

周りに相当迷惑をかけていて、だれもが迷惑ということでもないかぎり、原則、いじめはいじめる方に100%非があるといってもいいかもしれません。

いじめられ、疎外感をもつと、攻撃性が高まる

米国のサンディエゴ州立大学のジーン・トゥエンギー教授は、『社会的排除』ということで、家族や仲間から疎外されて、社会的な絆を形成できていない人は、攻撃行動を起こしやすいとして、実験を行っています。

4~6名の初対面の学生を集めて、15分ほど会話をしてもらい、その後、個別にアンケートをします。

参加者のうち、一緒に課題を行いたいと思う人物を2名あげてもらい、参加者を「グループ全員から一緒に課題を行いたい人物に選ばれた」と伝える受容条件グループと、「グループの誰からも一緒に課題を行いたい人物に選ばれなかった」と伝える拒否条件グループに分けます。

このグループ分けは、アンケートに関係なくランダムに行います。

その後に、グループ分けとは無関係な相手と、勝利すると相手へのヘッドフォンに深いなノイズを流すいやがらせができるゲームを行います。

すると、「グループの誰からも一緒に課題を行いたい人物に選ばれなかった」と伝えられた拒否条件の参加者は、受容条件の参加者よりも相手に流すノイズの強さが1.4倍に、長さが2倍になり、高い攻撃性を示したのです。

最新情報をチェックしよう!